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ドリトル先生と二本尻尾の猫
第四幕その二

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「やっていけばいいから」
「不安でもね」
「結局不安に感じてもどうにもならないよ」
 老馬の言葉です。
「まずは動くことだね」
「先生、まずはあちらの猫又さんがですね」
「うん、お静さん達がね」
 先生は動物達の協力を約束する言葉を受けてからトミーに応えました、それまでは彼等の言葉を嬉しく聞いていました。
「あちらの人のことを調べてくれているから」
「僕達はですね」
「お嬢さんのことを知ろうか」
「それがいいですね」
「とてもいい娘なんだよね」
 王子は先生にこのことを尋ねました。
「そうだよね」
「そう聞いてるよ」
「けれどね」
「日本の諺にあるね」
「百聞は一見に然ず」
「そうだったね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「そのお嬢さんと会うんだね」
「実際にどういう人か確かめないと駄目だよ」
 先生はこのことは絶対としました。
「それで動いてもどうしようもないよ」
「相手を知らないと本当に」 
 トミーはまた言いました。
「どうしようもないですね」
「こうしたことはないと思うけれど」
 先生はこう前置きして言いました。
「若しもだよ」
「そのお嬢さんがですね」
「お静さんの贔屓でいい人って言っている」
「その可能性もありますね」
「そう、だからね」
「まずはですね」
「その人に会ってみるよ」
 先生は穏やかな笑顔でトミーに答えて皆に述べました。
「そうするよ」
「じゃあ僕達もね」
「一緒にね」
「一緒に行ってね」
「そうしてね」
 動物達がここでまた先生に言ってきました。
「その人を確かめよう」
「どんな人かね」
「直接お会いして」
「そのうえで」
「うん、行こう」
 こうお話してでした、先生はまずはそのお嬢さんとお会いすることにしました、そのことを決めてそうしてでした。
 先生にです、王子が言いました。
「若しもその娘がとんでもない娘だったら?」
「その場合はだね」
「うん、どうするのかな」
「そうだね、平気で人を騙す様な娘ならね」
「断るのかな」
「そうした方がいいかな」
「相手の人が可哀想だからね」
 そうした娘と一緒になったらです。
「その時はね」
「うん、お静さんにもね」
「言うんだね」
「このお話は降りるってね」
「約束してもだね」
「約束を取り消すことはよくないけれど」
 それでもというのです。
「その人が不幸にならないのなら」
「そうだね、それと」
「それとだね」
「逆の場合もね」
「相手の人がとんでもない人だったら」
「その娘が可哀想になるからね」
 この場合もそうなるからというのです。
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