下忍編
木の葉崩し
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た尾獣の力は強大なのだ。
だからこそ、皆がこぞってその力を欲し、そして容れ物を作ってまで手に入れようとし、その恐るべき存在を封じておこうとする。
カトナは尾獣と対峙したことがないから、実際にその強さはよくわからない。
だが、尾獣の中でも最強、九つの尾を持つあの狐は、四代目火影である実の父…波風ミナトの命を奪ったことがあるのだ。
その強さは、自分が今まで戦ってきた中でも断トツであり、いままで戦ってきた強き忍たちをものさしにしてその強度を図ったとしても、はかりきれないだろう。
それほどの歴然とした差があるのに、ナルトが追いかけた。
もし、もし、ナルトが負けたら間違いなく殺される。
想像して、いやだいやだとカトナは頭を振り、必死にその考えを覆そうとした時、彼を見つけた。
「…ねじ!」
会場で途方に暮れていた彼は、カトナの呼び声に安心したように振り向く。
「カトナ、お前も無…事ではないようだな」
ある場所…頬で視線を固定している彼に、カトナもまた視線を追いかけるように指を這わせ、じくじくと痛む頬を無視する。
「チャクラ足りないから、痛みで目覚めさせた」
あっさりとそう言ったが、彼女の頬は、見ているだけでこちらも痛みを感じるほどに赤々しい。
幻覚から目を覚ますためとはいえ、自分の身体をまるで物のように扱っている彼女に、ネジは微かな苛立ちを感じつつも、辺りを見回す。
二人に全く気が付いていないが、敵の忍びらしい人間と上忍が入り乱れて戦っており、どこに誰が居るかが全く分からない。
ネジは舌を打って、カトナに尋ねる。
「俺はテンテン達と合流し、ガイ先生の指示を仰ぐが、お前はどうする気だ」
「決まってる。ナルトに合流する」
そういって、カトナは全身を集中させて。
ありとあらゆる全てを思考から排除して。敵の居場所だけ把握して。
敵と上忍のなかを、一気に駆け抜けた。
ネジが驚いて声を上げるまえに、床を強く蹴飛ばして跳ね、観客席を駆け上がる。
善良な観客数名を踏んでしまったようだが、それもまた見なかったふりをして、カトナはもといた場所に立ち、見回す。
会場を見回したカトナの目は、いちはやく、サスケをとらえ、サクラも捉え。
しかし、一人が見つからない。
愕然とした面持ちで固まった彼女を見つけたサスケが、素早く駆け抜け、カトナの元による。
頬に残る痛々しい傷や、見えていない筈の彼女の口内にある傷などについて言及しようとしたサスケは、直前でカトナの表情に何も言えなくなる。
カトナの体内に、音が一切なくなって、ただ、鼓動が響く。
疑問が体を支配し、そして指先に痺れが走るような感覚。
どくどくと、心臓がうるさい。
黙れ黙れと、何度も何
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