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緋弾のアリアGS Genius Scientist
イ・ウー編
燃える銀氷
31弾 アドシアード
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「あたしも競技には出ないわよ。代表には選ばれたけど、辞退したし」
「じゃ、お前も手伝いか。もう何やるか決めたのか?」
「チアよ。閉会式でやるやつ」
ちなみにここで言うチアとは言葉通りの、恐らく一般人が真っ先に思いつくあのチアリーディング。ではない。
イタリア語で武器を表す《アルマ》日本語の《
型
(
カタ
)
》を合わせた《アル=カタ》というナイフと拳銃による演舞を、かろうじてぎりぎりなんとか頑張ればチアリーディングに見えなくもないダンスと混ぜ合わせたものだ。それを武偵校の女子たちは臆面も無く『チア』と呼ぶ。
「ミズキはどうするの?」
「俺は、そうだな……お前が踊るなら、バックで演奏でもやるか」
武偵校の閉会式のパレードでは、女子がフロントでアル=カタを。男子がバックでバンド演奏を行う。何か不測の事態があったときに対処しやすいように、俺もアリアと同じくパレードに参加すべきで、そうすると後ろで楽器を弾くしか選択肢は無い。幸い、俺は一通りの楽器は扱えるしな。
「あ、薬師丸くんがそれやるなら僕もそれにしようかな」
「バンドか。面白そうだし、女子にも……よしッ!やるか!」
俺がバンド演奏への参加を発言すると、不知火が便乗してくる。ついで武藤のヤツも。
「み、ミズキが後ろで見ることに……ど、どどどどうしよう。ほ、本番では絶対に失敗するわけにはいかないわね。で、でももう既に緊張してきたかも……」
一方アリアはなにやらブツブツと呟いている。アリアが変なのはいつものことだが、今日はそれに輪をかけて変だ。
「でも神崎さん、競技会の代表を断るなんてもったいないことするね。知ってる?アドシアードのメダルを持ってると、進路が薔薇色になるらしいんだ。武偵大には推薦入学、武偵局にはキャリアで入れるし、どんな有名どころの武偵企業も二つ返事で就職させてもらえるんだって」
「そ、そんな先のことはどうでもいいわよ。あたしは今、やらなきゃいけないことがある、競技会の練習なんてしてる暇はないの」
アリアのやらなきゃいけないこと。
それはアリアの実の母親である神埼かなえさんに着せられた多くの冤罪を無実だと証明すること。そのために危険な無法者たちの組織《イ・ウー》と戦い、勝利すること。こんな暗く重い十字架を背負って茨の道を歩き続けなければならないアリアには、寄り道なんてしてる余裕は無い。
また、パートナーである俺もそんなアリアを傍で支え、助けるために。そして自分の――――『神代』のことを知るために。
戦い続けると、そう決めたのだ。
「だからミズキ、明日から朝練するわよ」
「……はい?」
俺が決意を新たに頑張ろうと気を引き締めていると、アリアがなんか言ってきた。
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