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とあるβテスター、奮闘する
挿話
とあるβテスター、人形遣いと出会う
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を取ったんだよ!!」
駄目だ、この人と話してるとすごく疲れる。
SAOでは体調不良になることはないはずなのに、何だか頭が痛くなってきたような錯覚に陥る……。

「仕方ないね……、ならばゆのゆのと呼ばせてもらおう。いくら寛大な私でもこれ以上の譲歩は無理というものだよ、お嬢さん」
「……、もうそれでいいです……」
やれやれといった具合で肩をすくめるナナミヤさんに、僕はもう何も言い返す気力すら湧いてこなかった。
寛大な要素がどこにあるんだよとか、何をどう譲歩したんだよとか、僕が悪いのかよとか、むしろ悪化してんじゃねぇかよとか、色々と突っ込みたい所は山ほどあったけれど、突っ込み疲れた僕にはもはやどうでもよくなっていた。
なんかというか、色々と泣きたい気分だった。

「ゆのゆの、あちらのお嬢さんは何という名前なのだね?」
未だに西洋人形とキャッキャウフフといった感じでじゃれ合っているシェイリへと目線を向け、ナナミヤさんは僕に問う。
この変人と会話を続ける気力すら失いかけていた僕は、力なく答えた。

「あの子はシェイリですよ。僕のパートナーです」
「ふむ、あちらのお嬢さんはシェイリちゃんというのか。こちらも姿に負けず劣らず可愛らしい名前じゃないか、結構結構」
「おいちょっと待て」
どうして僕がゆのゆので、シェイリは普通の呼び方なんだよ。僕の名前の何が駄目だったんだよ。ちょっと傷付くだろうが。

「しかしあれだね。シェイリちゃんは見るからに幼女だからいいとして、ゆのゆのは全体的にもう少し肉を付けるべきだと私は思うがね」
「………」
僕の胸元に視線を向けながらそんなことを言うナナミヤさんは、セクハラ面ではリリアに負けていなかった。
変わらず愛することを約束するとか言っといてセクハラしてんじゃねぇよ。
ひょっとしてわざとやってるんだろうか、この人。

「それにしても、ぺんぺん丸が私以外の者にあそこまで懐くとは、シェイリちゃんにはビーストテイマーの素質があるのかもしれないな。結構結構」
そう言って、勝手に納得したようにうんうんと頷くナナミヤさん。結構結構、というのが彼女の口癖らしかった。
見ればシェイリがぺんぺん丸を両手で抱き上げ、高い高いをしているとこだった。いや、君、順応しすぎだろう……。

「見たまえよ、ゆのゆの。なんとも微笑ましい光景だとは思わないかね? 結構結構」
「はあ、まぁ……そうですね」
僕は今すぐにでもナナミヤさんから離れたくて仕方ないというのに、シェイリがあの様子ではそれすらも叶わない。
いやまあ、確かにぺんぺん丸―――《ボーパルパペット》の見た目は、外で徘徊している操り人形たちよりも随分と可愛らしくはあるけれど。
主人であるナナミヤさんが珍しいと言っているあたり、あの西洋人形が彼女以外に懐く
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