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とあるβテスター、奮闘する
挿話
とあるβテスター、人形遣いと出会う
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するようなことじゃないだろ……!
本当に何言ってるんだ、この人……!

「さて、私は名乗った。今度は君の番だよ、お嬢さん」
「あー、もう……。なんというか、すごーく疲れました……」
「そうかね?ならば私がその疲れを解きほぐしてあげようか」
「け、結構です!」
この人に任せたら何をされるかわかったものじゃなかった。
必死にかぶりを振りながら、僕は今日この洋館を訪れたことを少し後悔していた。
なんというか、アルゴとはまた違う意味で相手のペースに引き込まれてしまい、気力がみるみる削られていくのを感じる。
変な人と関わり合いになっちゃったなぁ、というのが本音だった。
よく考えたら結構失礼なことを考えている気がしなくもないけれど、この人に対しては罪悪感など湧いてこなかった。

「それは残念。して、お嬢さんの名前は何というんだい?」
「はぁ……、僕はユノといいます。できればその、お嬢さんっていうのはやめて欲しいんですけど……」
「おや、それは失礼。そういえばあちらのお嬢さんからはユノ“くん”と呼ばれていたように思ったが、その言葉遣いといい、ひょっとしてお嬢さんではなくお坊ちゃんのほうが正解だったりするのかな?」
「あ、ええと―――」
「まあ、君がどちらだったとしても私には関係のないことなのだけれどね。お嬢さんだろうとお坊ちゃんだろうと変わらずに愛することを約束しよう」
「いらねぇよそんな約束!」
なんというか、もう。
クエストとかどうでもいいから、宿屋に帰りたいなぁ。
ほんの10分ほど前までは不気味な人形達に怯えてばかりいたのに、どうしてこんなことになってしまったというのか。
というか両刀だっていう話、冗談で言ってるんだよね?本気だったりしないよね?

「お嬢さんと呼ばれるのは嫌か、了解した。ではユノりんと呼ばせてもらうことにしよう」
「やめてください」
何の罰ゲームだよ。
自分をナナりんと呼べと言っていたことといい、そのあだ名の付け方を気に入ってるんだろうか。

「おや、お気に召さないかね?」
「ええ、まあ……」
「ふむ? なかなかいい呼び名だと思ったのだが……。では、ゆのぴょんと」
「………」
悪化してんじゃねぇか。
人前でそんな呼び方をしてみろ、僕は訴訟も辞さないぞ。

「あの、できれば普通に呼んでいただけると……」
「これもだめかね、ふーむ……。しかしだね、お嬢さん。別に責めるつもりはないのだが、名前がたったの二文字だけでは、どうにも口にした時の語呂がよろしくないと思わないかね? こう言っちゃ悪いのだが、名付けのセンスを疑わざるを得ないよ」
「全国の二文字の名前の人とその親に謝れ。あとあんたには言われたくねぇよ」
「ではこうしよう。間を取ってゆのたんで妥協しようじゃないか」
「何の間
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