挿話
とあるβテスター、人形遣いと出会う
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しい顔で言う。
お嬢さんと呼ばれたのはともかく、言葉遣いが乱暴になってきているのは否定できないのが痛いところだ。
リリアとパーティを組むようになった影響なのか、最近の僕は自分でも、我ながら言葉遣いが悪くなってきているという自覚がある。
仮に現実世界に戻ることができても、母親に怒られる所が簡単に想像できてしまって少し怖い。
元々言葉遣いについては、何かと注意されてばかりいたしなぁ……。
「私はこれでも驚いているのだよ。まさかこんな辺鄙な場所で、君達のような可愛らしい少女達に出会うとは思ってもみなかったからね。天使が舞い降りたのかと我が目を疑った思ったほどだ」
「て、天使って……」
「ああ、しかし可愛らしいね、君は。そのショートヘアといい、艶のある白い肌といい、私の好みにぴったりじゃないか。案外、君と私がここで出会ったのは運命というものだったりするのかもしれないね」
「ちょ、ちょっと、ナナミヤさん……」
「おや、照れているのかい? ふふ、真っ赤な頬がとても愛しいよ。思わず食べてしまいたくなるじゃないか、子猫ちゃんめ」
「う、うぅぅ……!」
な……、何言ってるんだこの人……!
まさか本気で言ってるわけではないんだろうけど、こんなに真剣な顔でここまでベタ褒めされると、流石に僕も気恥ずかしくなってしまう。
よくよく見るとナナミヤさんの顔はすっきりと整っていて、ピシッとした服装も相まって男装の麗人に見えなくもなかった。
女性として見れば美人、男性として見れば美男子といった良いとこ取りの顔立ちで、魔性ともいえるような不思議な魅力を放っている。
超のつくほど臭い台詞をこんなに真顔で言えるだけでも驚きだというのに、それが様になっているところがまた、ナナミヤという人物の底知れぬ恐ろしさを感じさせた。
シェイリに助けを求めようにも、彼女はというとぺんぺん丸とじゃれ合うのに夢中で、僕が色々な意味で危機に陥っているのだということに気付きもしないのだった。
「ほら、目を逸らさないで……」
「う、ううううう〜……!」
突然の精神攻撃にうろたえている間にも、ナナミヤさんは僕に向かって真剣な眼差しを送ってくる。
知性を感じさせるゴールドオーカーの瞳が、静かに、それでいて情熱的に僕の目を見つめ続ける。
甘くとろけるような囁き声に、なんだか頭がくらくらしてきた。
や、やばい。この人にずっと見つめられていると、僕、なんだかおかしな気分になって―――
「ちなみに私は両刀だ。男性も女性も分け隔てなく愛することができる」
「何言ってんだあんた!」
うっかりおかしな方向へトリップしかけていた僕の意識は、続いてナナミヤさんの口から飛び出した爆弾発言によって、すんでのところで現実へと引き戻された。
よりにもよってこのタイミングでカミングアウト
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