挿話
とあるβテスター、人形遣いと出会う
[7/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
がしに爆笑されるのは目に見えているので、奴にはここでの会話を絶対に知られないようにしなければなるまい。
「流石に現実世界での名前を聞いたりはしませんよ。マナー違反になりますし」
「それもそうだったね。いやはや、失敬失敬」
それはさて置いて。
まさか名前を尋ねた相手から、キャラクターネームかリアルネームかなんて聞かれるとは思っていなかった。
今のSAOでは現実世界のことはおろか、ステータスについてしつこく追及することさえもマナー違反とされている。
いくら僕がこの女性のことを変わった人だと思っているとはいえ、流石に初対面の相手に本名を尋ねたりはしないし、そんなナンパじみたことをする度胸もない。
「ふむ、キャラクターネームか。そういうことならば、私の名前はナナミヤだ。気軽にナナりんとでも呼んでくれたまえ」
「呼びません」
いきなり何言ってんだ、この人。
こう言うのも失礼だけど、そんなあだ名で呼ばれる歳でもなかろうに。
「ちなみに本名を七宮七瀬という。どちらにしてもナナりんで通るから安心して呼んでくれたまえ」
「だから呼ばねぇよ!しかも本名ばらしてんじゃねぇか!」
咄嗟にリリアのような突っ込み方をしてしまう僕。完全にキャラが崩壊していた。
というかこの人、現実の名字をそのままアバターネームにしてたのか……。
インターネット初心者の人がやりがちなことではあるけれど、ネット上で個人情報を出すのは一昔前では考えられなかったくらいなのだから、もう少し危機感を持ったほうがいいと思うのだけれど。
ましてや『ななみやななせ』なんて珍しい名前の組み合わせは、そうそう他人と被ったりはしないだろうし。
「この場合はアバター名と同じだから仕方ないのかもしれませんけど、あんまり他人に本名とか教えないほうがいいですよ。……もう遅いですけど」
「ああ、知人にも同じことを言われたよ。しかしお嬢さん、私は英語というものが大の苦手でね。知人にそのことを指摘されるまで、アバターネームというのは何処かの国の言葉で名字のことを指しているのかと思っていたのだよ。初めてこの世界に降り立って周りのプレイヤーの名前を聞いた時は、世の中は随分と珍しい名字で溢れかえっているのだなあと感心していたくらいだ」
「そんなわけねぇだろ!」
僕が密かに心配していることなど露知らず、自称ナナりんことナナミヤさんはとんでもないことを言い出した。
リリアとかキバオウだとかいう名字の日本人がいてたまるか!
ネット初心者とか英語が苦手とか、そういうレベルを逸脱しているぞ、この人……!
「時にお嬢さん、あまり乱暴な言葉遣いをするものではないよ。せっかくの可愛い顔が台無しだ」
「うっ……」
柄にもなく声を荒げてばかりの僕に、そうさせている張本人であるはずのナナミヤさんは涼
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ