挿話
とあるβテスター、人形遣いと出会う
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まっても寝覚めが悪いし、彼女を圏外村に送るだけなら大した手間にはならないだろう。
そんな僕の提案に思案顔を浮かべていたナナミヤさんはというと、
「なるほど……つまり人気のない場所で私としっぽりしたいわけだな。エロ同人みたいに」
「ちげぇよ馬鹿ッ!!」
なるほど……じゃねぇよ。
真面目な顔して何考えてんだ、あんた。
「ユノくんユノくん、エロどーじんってなぁに?」
「シェイリは気にしなくていいの!」
「エロ同人というのはだね―――」
「あんたも教えようとすんな!!」
シェイリにとんでもないことを吹き込もうとするナナミヤさんをPKすれすれの実力行使で退けながら、僕は改めて思った。
やっぱり今日ここに来たのは失敗だった―――と。
────────────
この後、僕たちはなんとかナナミヤさんを圏外村の宿屋まで送り届け(その間の僕の精神的疲労は、もはや語るまでもないだろう)、当初の目的だったクエストも無事に完遂することができた。
シェイリはぺんぺん丸のことをいたく気に入ってしまったらしく、彼女の主人であるナナミヤさんともすっかり打ち解けた様子で、なんとフレンド登録まで交わしていた。
その流れで僕もナナミヤさんとフレンド登録することとなり、僕のフレンドリストに《Nanamiya》という不吉極まりない名前が追加されたのだった。
ちなみにこの数ヶ月後、僕とこの風変わりな《人形遣い》は思いもよらないタイミングで再会することとなるのだけれど、それはまた別のお話。
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