番外編038話 if 真・恋姫無双編 08話
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ものようにほんわかと笑みを浮かべつつ告げる穏の言葉で我に返る蓮華。
慌てて首を左右に振る。
「た、確かに凄いですが、あれが全てアクセルの実力とは……」
言葉尻に力がないのが、自分でもその言葉を信じていない理由だろう。
「いい、蓮華。確かにアクセルは多少どころじゃなく怪しいところもあるけど、それでも袁術からの工作員とかそういうのじゃないのは間違いないわ。大体、あれだけの力を持ってる奴が、袁術なんかの下にいると思う?」
「い、いえ……」
「でしょ? ……まぁ、私も勘に従っただけなんだけどね」
「姉様!?」
「あははは。ほら、まぁ、それよりも折角混乱しているんだから一気に攻めるわよ。一応私達が独自に動く許可を貰ってはいるけど、これを見れば他の勢力だって動き出すのは間違いないんだから」
ポンッと軽く蓮華の肩を叩き、雪蓮は背後へと視線を向ける。
そう、そこにいる自らの兵士達へと。
「皆の者、今こそが好機! 敵の混乱に乗じて、民を脅かす黄巾党の命を絶つ! 大陸全土に、孫呉の精兵ここにありと見せつけるのだ!」
『うおおおおおおおおおおおおおおお!』
雪蓮の言葉で士気が高まった兵士達の雄叫びが周囲に響く。
「祭は私と一緒に兵を率いて黄巾党の本陣に突っ込む! 目指すのは黄巾党を率いている大賢良師の首! それを獲れば黄巾党如き烏合の衆はすぐに散っていく筈よ。蓮華、冥琳、穏は本陣を囲むようにして待機。逃げてくる敵を片っ端から討ち取りなさい! では、出撃する!」
その言葉に、それぞれが素早く動き始めて自らの部隊を率いながら雪蓮に指示された行動へと移る。
拙速は巧遅に勝ると言わんばかりに、黄巾党の本陣へと突っ込んで行く雪蓮達。
蓮華、冥琳、穏の3人もそれぞれ部隊を率いて本陣から逃げ出す敵を次々に仕留めていく。
「うわあああああっ! 官軍だ、官軍の襲撃だぁっ!」
そんな風な声も上がるが、寧ろその叫びは黄巾党を混乱させる事にしかならない。
「討て、討て、討てぇっ! この者共は既に人の仮面を捨てた獣だ! ここで逃せば、こやつらの剣は儂等の家族、友人、恋人に向かうぞ! 容赦せずに討ち滅ぼすのじゃ!」
自らの部下に声を掛けながらも、祭は素早く弓を引いて矢を放つ。
一矢、二矢、三矢、四矢、五矢。一瞬の休みもなく放たれた5本の矢は、1本たりとも外れることなく黄巾党の首や額へと突き刺さる。
それに圧倒された黄巾党は、内部の混乱もあって既にそれぞれが四方八方へと逃げ出していく有様だ。
だが本陣を逃げ出したとしても、そこでは蓮華達率いる部隊が包囲している。
本当に運のが良かったり腕の立つ極少数を除いて、その殆どが討ち取られ、屍の山を築いていく。
「はああああああぁっ!」
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