番外編038話 if 真・恋姫無双編 08話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
見ていた思春や明命も、取りあえずは問題がないとしそれぞれの行動に移る。
いきなり本陣内で火が上がり、混乱する黄巾党。
「敵襲だ、敵襲! 敵が陣地内に入り込んでいるぞ!」
「守れ、天和ちゃん達を守るんだ! 手透きの者は武器を取れ!」
そんな声が響く中、アクセルは影のゲートを使いながら倉からこっそりと出て、手当たり次第に天幕の中へと炎を叩き込んでいく。
本来であれば、ある程度の自己判断が出来る炎獣を使うと便利なのだが、今回はアクセルの力をなるべく隠す方向となっている。勿論黄巾党の本陣の中での出来事である以上、見つかる可能性は少ない。だが、それでも怪しまれないようにしておくのは当然だった。
「思春、明命、いるか?」
近くにある天幕に粗方火を放った後で呟くアクセル。
するとすぐに返事が返ってくる。
「ここにいる」
「アクセルさん、凄いです!」
そんな声を上げる2人に小さく頷き、改めて指示を出す。
……思春と明命は別にアクセルの指揮下にいる訳ではないのだが、今はそれどころではないと判断しているのだろう。アクセルに対して否定的な思春にしても、特に文句を言うでもなく黙っていた。
「ついでだから俺は黄巾党の倉にある食い物や武器の類を片っ端から奪ってくる。同時にそれを奪った後で火を付けるから、お前達はそれ以外の天幕とかに火を放って混乱を煽ってくれ」
「……まぁ、先程見た光景から考えれば確かにその方がいいのだろうな。その方が蓮華様も喜ぶであろうし」
「分かりました、頑張ります!」
2人共がそれぞれに返事をし、素早く去って行く。
それを見送ってから、アクセルは再び影のゲートを使って本陣に幾つもある倉の中に入っては食料や武器を根こそぎ空間倉庫に収納してから火を放っていく。
そんな風にせっせとアクセルに働かれては堪ったものではなく、見る間に黄巾党の本陣は混乱し始めていた。
思春や明命にしても、天幕を見つけては火を放ち、混乱を助長していく。
放火魔と化した3人が働けば黄巾党としては堪ったものではなく、殆どが農民や盗賊という事もあって右往左往するばかりであった。
そして、そのタイミングを待っていた者も当然いる。
「どうやらアクセル達は上手くやってくれたみたいね」
「ああ。アクセルの仙術があれば問題ないとは思ってたが、予想以上だ」
雪蓮が感心したように呟くと、冥琳がそれに同調するように頷く。
そんな2人の隣では、蓮華が唖然としながら黄巾党の本陣の方へと視線を向けている。
仙術が使えるとは聞いていたし、簡単なものではあるが見せて貰っていた。だが……それでも、ここまでの事を出来るとは思っていなかったのだ。
「あらあらー、蓮華様も驚いてるみたいですねー」
いつ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ