番外編038話 if 真・恋姫無双編 08話
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仙術を経験したんだから、少しくらいは喜べよ」
『……』
そう声を掛けるも、2人は未だに茫然自失といった様子のまま。
(取りあえず騒がれないなら黄巾党の連中にも見つからないだろうし、作戦開始の夜中までまだ数時間くらいはあるから……このままにしておくか)
結局はそう判断し、我を取り戻すまで待つのだった。
そうして夜も更け日付が変わりそうになる頃、アクセル達は行動を開始する事になる。
この時代では正確な時間を計るものはないのだが、そこはアクセルの空間倉庫に入っていた時計を冥琳に渡してあり、夜の12時になったら行動を開始するように言ってあったので、特に問題はなかった。
……冥琳や穏は時間を正確に計る事の出来る時計という存在に興奮していたが。
倉に潜んで数時間。それくらいの時間が経てば思春と明命の2人も我を取り戻しており、時間を今か今かと待っている。
そんな中、倉の中に火を放とうとしたアクセルはふと気が付く。
どうせ燃やすのなら、この倉の中身は全部貰っていった方がいいんじゃないか、と。
呉という国を再興するに当たり、食料は幾らあっても余るという事はないだろう。
「よし、この倉の中身は俺が貰っておこう」
「何を急に……そもそも、これを呉の物に出来るのなら確かに助かるが、どうやって運び出す気だ?」
「そうですよ、アクセルさん。それに倉を燃やすんですから、これがないと……」
そんな2人の心配に、問題はないと笑みを浮かべ……近くにあった糧食へと手を伸ばすと、次の瞬間空間倉庫の中に収納されて姿が消える。
そのまま、2人が驚いているのを尻目に次々に空間倉庫に収納し、気が付けばアクセル達が潜んでいた倉の中にあった糧食は、その全てが消えていた。
もっとも、ここにあるのが20万人分全てではない。本陣の中に倉は幾つもあるので、あくまでもほんの一部でしかない。
そうして目の前の光景に慌てている思春と明命を倉から出すと、早速とばかりに魔法を使用する。
『紅き焔』
その言葉を口にした瞬間、魔法が発動する。
本来であれば中級の魔法の『紅き焔』だが、今回は魔力を大量に使用している為に『燃える天空』程ではないにしろ、巨大な炎となっていた。
尚、何故『燃える天空』ではなく『紅き焔』を使用したのかといえば、やはり魔法の効果範囲の問題だろう。『燃える天空』では効果範囲が大きすぎ、寧ろ黄巾党を攻撃する呉軍の邪魔になると判断した為だ。
ともあれ、つい数秒前までアクセル達がいた倉は豪快に炎を発しながら燃え上がり、近くにある建物へと延焼しては炎の勢いを増していく。
更にアクセルが炎を生み出しては、手当たり次第に天幕やら建物やらを燃やし続けている為に、火の勢いは留まるところを知らない。
外でその様子を
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