暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
悪魔-メフィスト-
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る。それとも奴らにワルドが加担しているのか…?
「やれやれ、愛の道を行く者に邪魔者はつき物か」
霧の中から、その声の主は姿を見せる。声の方角に向けて二人は剣と杖を構えた。霧の中から、二人の人影が見える。
「姫様!!」
一人は、アンリエッタだった。彼女の前にはもう一人、フードを被った若者が立っている。
「正体を現せ!」
サイトが若者に向かって剣を向けて叫ぶ。それに応えるかのように、若者は自分の素顔を隠すフードををとる。
それはあまりに意外な人物だった。
「うぇ、ウェールズ皇太子!?」
その男は、アルビオンで別れた後、ワルドによって連れさらわれたウェールズだった。
「皇太子様、ご無事だったのですね…」
「久しぶりだね、ミス・ヴァリエール。そして使い魔君」
穏やかに再会の挨拶を述べるウェールズ。
「皇太子様…本当に、あなたなのか?」
サイトにとって、ウェールズは貴族の中でも、平民だろうがなんだろうが、気さくに振舞ってくれる、気のいい人だ。ワルドの裏切りがはっきりしたあの結婚式、ワルドと戦った時ウェールズが自分をワルドの魔法から庇ってくれた。そのため、同時にサイトにとってある種のトラウマの一つとしても捉えられていた。
「こうしてアンリエッタが、僕に着いて来てくれている。それが何よりの証じゃないか」
ウェールズの放つその一言にまさか、と二人は思った。もしやウェールズが、アンリエッタを誘拐した犯人だったのか!?
「どうして姫様をかどわかしたのです!姫様は、トリステインにとって無くてはならないお方なのですよ!それにもうじき彼女は女王陛下に即位なさるのに!」
ルイズが、まさかアンリエッタのことを誰よりも思っているはずの男が、人攫い…それももうじき女王となる者をさらうなど思いもしなかった。ましてやあのウェールズ、アンリエッタと同じく王族だ。その責務の重さを重々知っているからこそウェールズはアルビオンに残り、愛するアンリエッタと彼女の祖国のために戦った。そんな彼が、こんな真似をするはずが無いのに。
「一つ誤解をしている。彼女は自らの意思で僕に着いて来るのを選んでくれたんだ」
「え…」
呆けるルイズに、ウェールズは続ける。
「勝手な真似をしてしまったことはお詫びしよう。だが、今の僕ら王党派にはアンリエッタが必要なんだ。
僕ら王党派はあの後散り散りになった。だがアルビオンの各地でレジスタンスを組み、反撃の時を伺ってきた。しかし、いくら諦めないという心を見につけても奴らに反撃することはかなわない。
我がアルビオン軍の士気向上と、優れた指揮。そのためにも我らにはウルトラマンと共に侵略者からトリステインを守った『聖女』としての…何よりも僕にとってもアンリエッタは必要なのだ」
その言葉に、背後に控えていたアンリエッタはさらに熱い鼓動がこみ上
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