悪魔-メフィスト-
[7/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だが、衛士隊が彼女の両腕にガシッと掴みかかり、腕の動きを封殺する。ものすごい力だった。女性と比べて男の力が強くなりがちだという認識は差別的で古い考えでもあるが、その女性兵士は異常だと思った。この男の力、見かけ以上にとんでもないものだった。こちらの腕が今にもへし折れそうなほどの強い力。振りほどくことができない。
「い、いだだだ…!!」
「エリィ!!」
別の女性兵士が、エリィと呼ばれたその女性兵士を助けようと、彼女を捕まえている兵を背後から斬り捨てた。斬られた男は、エリィから手を離してそのまま倒れ伏す。
他の兵たちにもその脅威が迫る。中には魔法を使って襲う者もいた。
「どうなってるの!?なんで衛士隊が…」
「考えるのは後だルイズ!下がってろ!」
サイトはデルフを直ちに引き抜き、構えを取る。この人たちは、おそらくすでに死んでいる。それをどこかで、スペースビーストに種別される怪獣が操っている可能性があるのだろう。とはいえ、サイトにとって人を剣で切るなど絶対に慣れたくない行為だし、やりたくもない。せめて峰打ちで済ませてしまおう。それでも立ち上がった場合は…。いや、とにかく目の前の敵を切り抜けることが優先だ。
ルイズを狙って風の斬撃魔法が飛んでくる。確か、エア・カッターって奴か!サイトは直ちにデルフを盾代わりに構えると、彼にその魔法を吸収させる。サイトは左手のガンダールヴのルーンを光らせ、駆け出して風の魔法を放ってきたメイジに向かって、デルフを振り下ろす。バシン!!と骨を砕くような音が響く。やはり人間の肉を切り裂くのを嫌がったのか、峰打ちだったが目の前の敵を昏倒させるに十分だった。
しかし、敵の数が多い。ここで手間取り続けていたら、アンリエッタはラグドリアン湖よりもはるか遠い場所へ連れ出されてしまう。
「お二人とも、ここは我らにお任せを!姫殿下を頼みます!」
ピストル銃を敵に向けて構えたまま、アニエスは二人に自分の乗っていた馬を引っ張り渡す。
「アニエス何言ってるの!平民がメイジに…」
「心配無用です。私はこう見えて『メイジ殺し』の通り名で知られております。対メイジの戦闘訓練は毎日欠かさず行っておりますので」
平民はメイジに勝てない。サイトは例外、その認識があるルイズからの警告に対し、アニエスは余裕ありげな顔を見せて言い返した。対メイジを想定した選りすぐりの剣士たちが揃っているのだ。このご時世で、怪獣は愚かメイジにも勝てないようでは、アンリエッタとしてもこの平民の女性のみの部隊を編成した意味がないだろう。
「わかりました!すぐに行きます!でも、必ず生きてください!」
「サイト、それ私がいうところでしょ!」
馬の手綱を受け取ったサイトは頷き、ルイズは自分のセリフを取られたと思ったのか突っ込む。文句を軽く聞き流し、さっさとルイズを乗せたサイ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ