悪魔-メフィスト-
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まく聞き取れない。しかし、『怪』『場』『異常、発生』『救援』。
これらの単語から彼のいる場所でただ事ではないことが起きているのは確かだ。
「ヒカリに何かがあったのでしょうか…!?」
特に兄弟たちの中でヒカリと共に戦ってきたメビウスに焦りが生じた。彼は元科学者で、ブルー族で始めてウルトラ兄弟に選ばれた戦士。その実力は確かなものだが、これまでウルトラ戦士たちが戦ってきた敵はいずれも強敵ばかり。ヒカリを信じてないわけではないが、万が一ということもあるのだ。
「ここ最近、なぜかあそこから強力なマイナスエネルギーが発生しているのが観測された。そして今回のヒカリのサインから、怪と場…おそらく怪獣墓場でヒカリは何かを見たに違いない。
メビウス、エース、タロウ。お前たちにこれから任務を与える。ヒカリの救援に向かえ!」
「「「はい!」」」
ゾフィーはウルトラ兄弟たちから三人を派遣することに決定。メビウス・エース・タロウの三人は直ちに光の国から出動した。三人の兄弟たちを見送るゾフィー、ジャック、アストラ、そしてセブン。
この後、メビウスたち三人の身にあるものをめぐった事件が起きたのだが、それはこの場では割愛させていただく。
(ゼロ…)
セブンは、今回のヒカリの身に起きた出来事が、もしかしたら遠く離れた星にいる息子の身にも何かが起きるのではないかと、漠然とした危機感を覚えていた。
その予感は、必ず当たることとなる。いや、当たらない方がおかしかったかもしれない。
―――ダメだ
そう呟く人物が、アンリエッタのいる場所と全く異なる場所にいた。
地球なのか、それともハルケギニアのいずれの場所なのかさえも不明な、遺跡の中に安置された青白く光る石像の中。シュウはそ載せ寄贈の中の空間に、眠りに着いた状態で横たわっていた。石像ストーンフリューゲルには、適能者の傷を癒す治癒効果がある。傷が癒えるまではここから動けない。
彼の脳裏に見えたのは、アンリエッタの脳内で展開されている悍ましい悪夢だった。
「その闇は、あんたを飲み込もうとしている。惑わされるな…」
届かないことは分かっている。それでもシュウは呟かないわけにいかなかった。愛するウェールズを失った彼女の痛み、彼はそれをまるで自分のことのようにも心に刻みつけていた。たとえ関係がない間柄だとしても、シュウはアンリエッタに呼びかけ続けた。
「闇に囚われるな…!」
目を開いた彼は、その手にエボルトラスターを握った。
アンリエッタは目を開く。そこにあるのは、光を一切差し込ませない闇の空間だった。赤黒い荒野の上に立ち、周囲に立ちこめている。なんて冷たい空間だ。こんな場所にいつまでもいたくないと思わされる。早く逃げたい。こんな場所にいたくない。そもそもここはどこなんだ?ど
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