暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
悪魔-メフィスト-
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今のアンリエッタはウェールズへの執着のあまり話を聞こうともしていない、か。いや、それ以上に気にすべきなのは…この男だ。シュウは巨漢の方を睨む。
「なぜ城で、俺に戦いを挑んできた?姫をさらって、一体何を企んでいる」
「企む?俺はあくまで、仕事をしに来ただけよ。ウェールズ皇太子殿下の護衛という、な」
「とてもそうは見えんな」
「あんた、一体何者!?そのあつかましいフードを取って名乗りなさいよ!」
あまりに胡散臭い雰囲気の巨漢に対し、ルイズはその男への敵意をむき出しにする。この男がウェールズに何かをしている、そうとしか思えなかった。
「そうだな、自己紹介がまだだったな」
男は、遂にその身をまとうローブを取った。
隠れていたその顔を見て、思わずサイトたちは息を呑む。



「俺の名は、メンヌヴィル。二つ名は『白炎』だ」



傷跡の刻まれた顔と、真っ白なその髪と目。そして狂気に犯されているような笑み。その男が見た目からして異常な何かを放っていた。
「二つ名と見た目からして、火の傭兵メイジのようね。一体何が目的なの?」
「言っただろう?俺はウェールズ王子の護衛だとな」
「ミス・ヴァリエール。一つ警告を入れよう。彼…白炎のメンヌヴィルは、元は下級の貴族だが、傭兵メイジとしての実力はそこいらの兵よりも優れている。そして一度戦うことになった敵には一切の情けをかけない」
ウェールズが、脅しをかけるように言う。サイトにはわかる。この男はこれまで地球を侵略してきた卑劣な異星人たちと同じものがある。他人を…虫けらのように見ている。こんな人間と相対するとは、ある意味ワルド以上に恐ろしい何かを持っている。
「だからって、このまま姫様を連れて行くわけにはいかねえ。そうだろルイズ、シュウ」
「当たり前よ。そのために私たちが来たんだから」
「…ああ」
剣、杖、銃。サイトたち三人は、決して引かない姿勢を示す。
「どうしても退かないというの…?」
アンリエッタは三人を見て悲しげに言う。こうなったら、やはりこの三人を手にかけてでも…かつての親友と、彼女のために命を張る使い魔、そしてもう一人、この国にいずれ貢献することになる若者を手にかけなくてはならなくなる。ウェールズと共に、この先を行く以上は…。
「メンヌヴィル殿、こうなったら仕方ありません。ルイズたちが邪魔をする以上は…」
「…ふ」
アンリエッタからの頼みを聞くと、笑みを浮かべるメンヌヴィルは両腕をバッと開く。すると、霧がかったラグドリアン湖の景色が一変する。
「…!」
アンリエッタは驚き、サイトたちは顔を歪ませる。今この男は、人の姿をしたままこの邪悪な空間を作り出した。人間業ではない。
「これってまさか…!」
「ああ…。ダークフィールドということは…やはりお前だったのか」
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