悪魔-メフィスト-
[11/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
がるのを感じた。ウェールズが、愛する男が自分を必要としてくれている。ずっと会えなかった寂しさと悲しさと相まってより一層。
しかしそれで納得できるルイズたちではない。
「ですが、そうだとしたらなぜ正式なお取り次ぎをなさらないのですか!いくら緊急時だとしても、そんなこと…」
あのウェールズが、もしアルビオン王党派が戦線を反逆者である貴族派たちに一矢報いるのを確実なものとするためにしても、わざわざアンリエッタだけを連れ去ったりするとは思えない。会ったのは一度くらいなものだが、ウェールズが見た目からして聡明な男であるのは確かなのだ。時期に女王となる姫を連れ去って事態を混乱させるとは思えない。
何かがおかしいと、サイトも思った。そこで彼はある行為に出る。ルイズにも、この場にいる全員にも決して悟られない…ウルトラ戦士が持つ透視能力だ。サイトは目を光らせながらウェールズの体を探る。
すると、何かが見えた。ウェールズの体に何か奇妙なオーラが見える。怪しげなドス黒い、それもどこか邪悪さを秘めた何かが、ウェールズの体をまとわり着いている。まるでウイルスのように彼の体の中をめぐっているのだ。
『気をつけろ!今のところ、こいつが星人の擬態かどうかはわからない。ババルウ星人みたいな、優れた物真似野郎もいやがるし、もし本物だとしても、人間を洗脳する奴もいやがるからな』
ババルウ星人とは、かつてアストラに化けてウルトラ兄弟とレオを同士討ちさせようとした、そしてサイトにとってある因縁のある戦士ウルトラマンヒカリを、その擬態能力を用いて貶めようとした卑劣な侵略者。その擬態はキングを除くウルトラ戦士さえも見抜くことができない。
または、ボーグ星人やペガ星人などが人間を洗脳し侵略のための手駒としていた前例もある。今のウェールズは偽者のか、あるいは洗脳されているか…。
「相棒、あの王子から何か感じる」
「え?」
突然口を開いてきたデルフがサイトに言ってきた。
「俺っちと同じかもしれねえな。俺と同じ先住の魔法。そいつで操られている気がするぜ」
「ッ!そうか、思い出した!アンドバリの指輪…!」
サイトは、ここで水の精霊が盗まれたといっていたアンドバリの指輪のことを思い出す。あれには死者を操る効力を持つとモンモランシーが教えてくれた。けど、今のウェールズからは確かな命の鼓動が感じられる。一度殺されてから操られている、というわけではないようだ。
ともあれサイトとゼロは確信した。どちらにせよ、目の前にいるウェールズは、俺たちの知っている彼じゃない!サイトはアンリエッタに向かって呼びかける。
「お姫様!こっちに戻ってきてください!今の皇太子は正気じゃない!」
しかし、アンリエッタは首を横に振った。
「…ルイズ、サイトさん。お願い…このまま引き返して頂戴」
「そんな…何をお
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ