圏内事件
圏内事件 ー昼寝ー
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欠伸とともに大きく伸びをし、固まった体を伸ばしほぐす。まどろみから覚め、状況を把握しようとぐるりと周りを見回す。だが、それは自身を余計に混乱させることになる。
ーーなんだこれ?!
視線の先には石垣に身を隠すようにしているキリト。そして、顔を真っ赤にし、今にもレイピアを抜かんとするアスナが居た。
状況が把握できぬまま、視界に映る混沌とした状況を眺めているとアスナがレイピアの掬から手を離し、おもむろに口を開く。
「…………ゴハン一回。」
「は?」
「へ?」
「ゴハン一回奢るから、今回の事はチャラにしてってことよ!」
ーーあ〜、そゆこと。
やっとこさ現状を把握する。それと同時に本能が『こいつらといたら危険だ。』と警鐘を鳴らすため、そそくさとその場を後にしようとする。だが、背後からかけられた声によってそれすらも阻止される。
「いいぜ。美味いNPCレストランがあるからそこにしようぜ。あ!あと、ユーリもいいよな。」
「んー。いいわよ。」
ーーキリトォォォ!?
せっかく面倒事に巻き込まれまいと去ろうとしたところを邪魔され、あろうことかアスナもOKを出してしまう。事の元凶を訴えるような視線で睨みつけるとニヤッと不敵な笑みを返してくる。ちらりとアスナに視線を向けるが、
「あら、レディのせっかくの御誘いを断るのかしら?」
追撃が行われ、退路を塞がれあえなく撃沈。
両手を上げ、降参の意を示すと二人と並び転移門へと向かって歩いていく。
『キリアスに捕まった』
取り敢えず遅くなりそうだと思い、同居人でありパートナーでもあるシィ宛に一通メールを飛ばす。
『ま た か 。ご愁傷様(笑)』
すると十秒も経たないうちに返信が返ってきて内容を確認すると、既視感を覚え頭を抱える。そして、もう一通。
『せっかくのご飯愉しんで逝ってきてね?』
ただの誤字である事を願いたいと切に思うユーリがそこに居た。
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