暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 神速の人狼
圏内事件
圏内事件 ー昼寝ー
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りにため息を一つ吐き、アイテムストレージから簡素な包みを取り出すと投げてよこす。中には、丁寧に包装されたバーガーが入っており、ユーリの準備の良さに感心する。

包装を取ると現実でも食べた事のあるハンバーガー特有のスパイシーな芳香が香り、食欲をさらに刺激してくる。
堪らずガブリと大きめの一口でかぶりつくとまったりとしたソースが肉のパティの間から染み出し、噛めば噛むほどにバンズと肉とソースが口の中で絡み合い、旨さを何倍にも増幅させる。バーガーの半分程を食べ終え、取り敢えずひと段落つくとコレをくれたユーリに向き直る。

「なぁ、こんなバーガー何処に売ってたんだよ。そこら辺の下手なNPCレストランなんかより確別に美味いぞ!」
「…………。はぁ〜……。」

是非迷宮区攻略の際のお供にしたいと考えていると、なぜかユーリからはため息を吐かれ呆れられる。

「…………自作だよ。」
「あっ。……そーいや。」

ユーリのその一言で合点がいく。同時に攻略祝いとして料理を振舞ってくれた事を思い出す。

ーーそりゃあ、自分で作ったものがNPC製と一緒にされちゃ、いい気分はしないか。

「なんか、すまん。」
「そう思うなら、残さず食ってくれ。」
「そりゃもちろん!」

ユーリのせっかくの好意をありがたく思い、再びガブリとバーガーにかぶりつく。
キリトは残りのバーガーを食べながら、ふと思う。

ーー頼んだら、また作ってくれるかな?

ここVR空間ソードアート・オンラインにとって食事は最大の娯楽と言っても過言ではない。四、五カ月ほど前食事も睡眠すらも惜しんで無茶なレベルリングを行っていた過去があるキリトは食事のもたらしてくれる充足感は人一倍はわかっているつもりだ。

ーー今度、頼んでみるか。

なんやかんや言って友達には甘いユーリの事だから了承してくれるだろう。多分、凄く渋られるけど。

「なぁ、ユーリ。……ユーリ?寝てる……。」

いつの間にか隣で安らかな寝息を立て寝ているユーリとそのさらに奥で随分前から爆睡したままのアスナを見て苦笑する。

「疲れてるんだろうな。」

片や今の攻略のペースを維持し続けるターボ・エンジンであるアスナ。片やかの『聖騎士』ヒースクリフと同じユニークスキルホルダーであるユーリ。
どちらも種類こそ違えど、攻略組から寄せられる期待とそれによって発生する多大なるプレッシャーを受けているのは同じ。
攻略の度に、ボス戦の度に人一倍神経をすり減らしているのはソロであるキリトでも容易に想像がつく。

バーガーの最後の一欠片を口に放り込むと芝生に座りなおす。

ユーリはともかく寝ろと言ったのは俺だ。起きるまで付き合うのは当然の義務だろう。

◆◇◆

「ふわぁ〜……。よく寝……た?
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