暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルアドベンチャーGT〜奇跡と優しさの軌跡〜
番外編:もしも…
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これはもしもの話。

父と母が離婚してかなりの年月が過ぎた。
独りの時間が多くなり、自分はいつも独り。
自分を大事にしてくれていると思っていた兄。
しかし弟を可愛がるという行為が、自我確立の手段だったという笑い話。
いらなくなれば、捨てられる。
必要な時だけ、求められる。
そんな簡単なことにも気付かずに、大事にされていると誤解していた。

大輔「ふん、随分と辛気臭いツラをしてるな」

自分の前に現れたのは、本宮大輔。
尊敬する太一に似ているようで、自分を捨てたヤマトに似ている人物。
本宮大輔が、自分から声を掛けて来たのは久しぶりだ。
一乗寺賢達が仲間に加わってから、彼はもう自分と話す必要も、意見を求める必要もないと思ったらしく、空気のように無視していたから。
といっても、他の仲間も同様の扱いを受けてはいるが。

大輔「その辛気臭いツラは何だ?世界中の不幸を一人で背負ったようなツラしやがって」

下らない物を見るかのように、自分を見つめる大輔。

タケル「何かな大輔君?」

大輔「今日のクリスマスパーティー。悪いけど辞退させてもらう。フェイト達と未来の息子達と…家族水入らずで過ごしたいんでね」

そう言って、招待状を突き返す。
何て残酷なことをするんだろうと思う。
皆、大輔と仲直りをしたくて招待状を渡したというのに。

大輔「ふん、俺は行くとは一言も言ってない。人の話を聞かないで一方的に押し付けたお前らに比べれば面と向かって突き返した分、遥かにマシだと思うけどな」

そう言って、大輔はブイモンと共に歩き出す。
タケルも同時に歩き出した。
大輔には恋人がいる。

フェイト・テスタロッサ。

アリシア・テスタロッサ。

アリサ・バニングス。

八神リインフォース・アインス。

この四人。
勿論、それを知られた時、彼は仲間から色々言われたが、それは彼女達が庇った。
自分達は大輔を愛している。
自分達全員で大輔を支えようと、共に生きようと決めた。
だから何の関係もない他人であるお前達に言われる筋合いはないときっぱりと言い返された。
それでも言い募ろうとすると、大輔の仲間達から凄まじい殺気を向けられ、強制的に黙らされた。
どうして彼があんな風に慕われるのかさっぱり分からない。
タケルからすれば、冒険の序盤のドジで馬鹿で扱いやすいタイプの人間であった大輔の印象が強いため、何故大輔が彼らから一途に慕われるのか分からない。
確かに優しいが、敵であった賢を簡単に受け入れる甘い人物。
はっきり言って自分からすれば危なっかしくて頼りない人物。
しかしタケルは知らない。
敵であった賢を受け入れるような優しさを持ち、必死に他者を分かろうとする人物だからこそ慕われるのだと。


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