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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第二七話 幻想を真実に
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は武官だったのだろうかと首を傾げたくなる唯依。
教養は元より専門知識にもある程度通じ、何より戦士としてのその思考が技術者では目につき難い、或は無視する場所を敢えて指摘する。
……戦術機の基礎を守りながら基礎を破り新たな道を作る。
―――自分には無い才能だ。
「つまり制御系を丸ごと入れ替えたい……ということでしょうか?」
「ああ、それなら完成した際に大して手間もかからん。しかもBETA戦役後も見越せる。」
「BETA戦役後……ですか。」
「ああ、恐らく戦術機はより小型で軽量なF-16のような機体が主流となるだろう――拡張性云々は昨今あまり問題に成らなくなってきたからな。」
小型な機体は内部空間が限定されるため、機能追加や構造の変更が制限されることがある。
しかしだ、現在の戦術機のようにコンピュータ制御の比重が増大し、内部構造が簡略化されてきた場合、拡張性とは内部空間よりも内部パーツをコンピュータと接続する為の内部バスコネクタの数や帯域とエンジン・発電機容量が占める割合のほうが大きい。
―――これは戦術機のみ成らず、すべての兵器に云えることだ。
現にコンピュータ制御の比重が増したF-15Jのコストの内、8割は搭載されている電子機器が占めている。
故に、機能拡張や追加は内部の電子機器を交換する際の交換しやすさと稼動させれる電力が最重要だ。
これはかつての兵器種がプログラムなどの制御・演算よりも機構によって成り立っていたたからだ。
人類初の戦術機であったF-4系統機は機体各所の構造や理想数値のデータが出揃っておらず、またコンピュータも発展途上であったため、物理的な仕組みを変更しての改修が主だったため大型機が有利であったが、既にそれは頭打ちだ。
――そういった面でもF-4は退役を迫られているのだ。
「“敵”の物量作戦を凌駕するには個々の能力を上げることは元より、手を出せば確実に返り討ちになる――そういう戦術を構築せねばならないからな。」
「敵―――ですか?」
「ああ、アメリカ・オーストラリア連合。統一中華戦線・ソビエト連邦……場合によっては大東亜連合も含まれる。」
「先ずは怨敵BETAの排除こそが最優先ではないでしょうか……仮にも同じ人類なわけですから。」
唯依はある意味では真っ当な、ある意味では目先だけの意見を述べてくる。
確かにBETA相手では講和なんぞ不可能。だが、文化が違い場当たり的な利害追求だけに固執する他国家という脅威もまた決して劣りはしない脅威なのだ。
一気に殺されるか、じわじわと殺されるかの違いでしかない。
どっちも侵略者という点において違いなんぞ存在しないのだから。
「人類かもしれんが、国を違えればそれは別生物となんら変わらん
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