番外最終話『絆は終わらない』
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ているからだ。
いつの間にかルフィの乱打が終わっていた。
それに全然気づかなかった。
気づかなかったのは当然だ。だってルフィの拳はもう――
「ゴムゴムのバズーカ!」
――蚊も殺せない。
「まだ、だ……まだだ! まだだ! まだだ!」
ルフィが泣いてる。
涙が止まらなかった。
一緒に雪だるまを作ったことがあった。
獲物を海にとりに行っている間にルフィに持っていてもらった命綱をルフィが離してちょっとだけ俺があせったことがあった。
一緒に夜の海を見張ったことがあった。
ルフィの言葉に救われたことが……何度も……何度も。
何度もあった。
なんでルフィと戦ってるんだろう。
なんでルフィと離れなきゃならないんだろう。
涙が止まらない。
けど、止まるわけにはいかない。
ルフィたちにルフィのじいちゃんと闘わせるわけにはいかない。
近づいてルフィへと黒い拳を振り下ろす。
「……う、く、そぉ……ナミ、任せたぞぉ!」
それで、もうルフィは立てない。
涙を流し続けてるルフィ。俺いなくなることを悲しんでくれているのかもしれない、俺を止められなかったことに悔しさを覚えているのかもしれない。どっちもかもしれない。けれど、今はもうルフィを考えてる時じゃない。
目の前でクリマタクトを構えるナミがいるから。
「……もう降参したら? あんたに私は倒せない」
「……」
ばれてる。
俺がナミを殴れないことを。
そもそもロビンでさえ抵抗があるのに、俺がナミを殴れるわけがない。いや、こういう言い方をするとロビンに失礼だけども。
確かに俺じゃナミには勝てないかもしれない。けれどやっぱりナミたちまで捕まってしまうなんてこと、あってはならない。だからナミが疲れて動けなくなるまで俺は粘って見せる。諦めるまで粘る。
根競べといこうじゃないか。
だから、ナミへと首を振る。けどそれがナミには気に入らなかったらしい。
「っなんでよ! ルフィのおじいさん倒したらそれで全部丸く収まるのに! なんで!? なんでよ! なんでハントは一人で離れていこうとするのよ!」
事実。だけどそれには現実がない。
あぁ、俺はダメだなぁ。
またナミを怒らせてる。
けど、ナミの怒った顔は相変わらずびじかわいい。
「でも今の状況を見たらわかると思うけど……全員で俺に勝てないなら、やっぱりガープのじいちゃんには勝てない、絶対に無理だ」
「っ」
ナミが顔を真っ赤にして俺を睨む。
「……なんで?」
けど聞こえてきた声はどうしてか震えていた。
なんで、そんな急に震えた声を出すんだろう。
「なんでよ……ハント。私たちまだデートの約束だって果
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