番外36話『仲間の力』
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突進による突きを、ハントは意に介さない。真後ろから迫るゾロを、単純な脚力の差で前進して引き離す。結局は空振りに終わったゾロの技。けれどハントの技はもう止まらない。また狙いを付けようとしていたフランキーの懐に潜り込んだハントが拳を――
「JETバズーカ」
「邪魔だっ!」
一喝。
単なる武装色を込めただけの蹴りでそれを止めた。
「っ」
息を呑んだのはルフィか、それともハントの速度に対応できなかったフランキーか。
「――正拳!」
フランキーの体の前半分は機械や兵器が仕込まれており、サイボーグでできている。そのためフランキーに単なる拳など大して意味をなさない。けれど当然に、ハントの魚人空手陸式は単純な物理攻撃ではない。
空気を振動させ、フランキーの体内の水分をも巻き込み、爆発させる。それは体の前半分が鉄でできているフランキーとて例外ではな――
「ぐ……えっ」
――いや、そもそも、そこではなかった。
ハントの黒く変色した拳にサイボーグのフランキーが腰をクの字に曲げた。単なる物理攻撃が腹部の鉄板ごと撃ちぬいた結果だ。そしてもちろん次の瞬間には襲ってくる爆発。これでまたフランキーも戦線離脱。
これで残り3人。
「ゴムゴムの――」
「三百煩悩――」
フランキーが倒れた、その背後。
ルフィとゾロが一斉に叫ぶ。
「――攻城砲!」
ハントが技を放ったのとほぼ同時のタイミング。なのに。
「っと」
「っ」
当たらない。それどころか、今度はゾロへと一直線に距離を潰す。それに、ゾロも真っ直ぐに向かう。
「5千枚瓦!」
「二刀流居合!」
二人の声が交差し、視線が交差し、気合が交差して、遂には彼らの体も交差。
「正拳!」
「羅生、も……ん゛っっ」
ゾロの刀が届く前に、ハントの拳が炸裂していた。腹部にめり込んだ拳に腰を九の字に折ってしまったゾロへと、ハントの次なる拳が迫っていた。
「5千枚瓦揚げ突き!」
ボクシングでいうとアッパーに近い技。それがゾロの顔面へと直撃。なすすべなく宙に吹き飛ばされ、次いで響く爆発的衝撃にさらに吹き飛ばされてそのまま地面へと落ちていく。
「……あと二人」
「サンダーボルト・テンポ!」
フとハントが、近くにルフィがいないことに気付いた時、今度はナミの声がさく裂、突如としてハントのいる一帯へと落雷。
「っ゛!」
慌てて大地を蹴るも、範囲外に出ることが出来ずに、そうなってしまえばもう流石に避けようがなかった。しつこいように落ちる雷に何度もハントの体が撃たれる。エネルの雷にも何度か耐えていたハントだ。ナミの雷にはあまりきいている様子ではな
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