番外36話『仲間の力』
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が体の全身を黒く変色させたところで、命中。
「……」
爆煙が立ち上り、ハントの姿が煙の中に埋もれて見えなくなる。ほんの僅かな時間の静けさ。麦わら一味の誰もがハントを仕留められたとは微塵にも思っていない。最後までハントの戦力を疑問視していたフランキーもこれまでのハントの動きで、既に甘い考えは捨て去っている。
煙の中からハントに全速力で動かれたら対応が難しい。
それがわかっているからこそ、誰もがまばたき一つなしにジッとその煙が晴れるのを待っていた。
「……」
だが結局ハントは煙の中から飛び出してくる、という行動はとらなかった。晴れた煙の中から現れたハントは無傷で、少し焼け焦げた甚平をはためかせ、ただひたすらに空を見上げていた。
なぜ、空を見上げているのか。
なぜ、動かないのか。
これまでの一連の戦闘の中から、誰もがそれを把握していた。理解していた。
けれど。
けれどまだそれをハント以外の彼らが認めるわけにはいかなくて。
「余所見すんな、ハント!」
「これで、決めるわよ!」
ルフィが叫び、ナミがそれに乗る。
「蜃気楼・テンポ『幻想妖精』」
「……魔法使いかよ!? あ、でもナミってなんか魔女でも違和感ないかも」
いつの間にか集合していたルフィたち全員が、各5〜6人に分身していた。それぞれ体型は違っているが、だからこそどれが本物なのかわからない。それを目にしたハントが「うおお……すっげぇ」と本当に驚ているのかわからないようにぼんやりと呟き、そこから彼らの一斉の攻撃が始まった。
「7億B・JACKPOT!」
無数に分身した彼らから放たれる、それこそ一帯全てへの彼らの攻撃。もちろん本体はその5分の1程度だが、見事な幻のため判別は難しい。見聞色の覇気でも彼らが密集しているせいか、位置判断が少しばかりぼやけており、さらには先読みでも、やはり全攻撃が密集しているためどれがどれだかの判別が難しい。実際には出来ないわけではないのだが、正確にいうならそれを正確に判別するほどの時間が――数秒という時間すら――ない。
ロビンによるハントの体に生える無数の手がハントを抑え込む。
ルフィのJET銃乱打とゾロの飛ぶ斬撃、フランキーの切り札、空気の砲弾が真っ先にハントへと襲い掛かる。
次いで、ナミの雷を帯びた泡。ソゲキングによる火薬弾。
息をつかせる間もなく、サンジの熱く燃える蹴り。チョッパーによる腕力強化状態での蹄。
それら全てが各々5人となって。
どれがどれだかわかるわけがなく、ただしわからなければ回避など不可能。それが、ハントへと襲い掛かった。ネズミが逃れる隙間すらないほどの
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