番外36話『仲間の力』
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……とは思うけど……お前らが一緒に戦っても……足手まといにしかならな――」
「――そんなことねぇよ!」
ハントの言おうとした言葉を聞き終わる前に、ルフィの叫び声が響いた。
「そんなことあるんだよ!」
「ねぇ!」
「ある!」
徐々に興奮していく二人を、だがウソップの時とは違い、今回は誰もそれを止めよとすらしない。
「お前ぇだってブッ飛ばせるぐらいには強ぇぞ、俺は!」
「……お前が?」
「俺だけじゃねぇ! 俺たちは少しずつ成長してる! 足手まといなんて言うな! お前が俺たちと一緒に航海したいって言う限り俺は絶対にお前のことを諦めねえ! だからお前ぇも俺たちを信じろ!」
「そうね、あなたが私に船長さん……ルフィを信じろと言ってくれたようにあなたも信じるべきじゃなくて?」
「っ」
ここに来てロビンがまた加わってきた。
ハントの顔が歪む。
――信じるとか信じないとかじゃ……ないん、だよっ!
叫びそうになる声を、彼は呑みこんだ。これだけは言ってはいけない、尚更彼らは引かなくなるから。
ハントはルフィを信頼している。けれど、いや、だからこそわかる。
クロコダイルにも勝ったルフィ。エネルに勝ったルフィ。不可能を可能にしてきたルフィだが……今度の相手はケタが違っている。もしもみんなで挑んで結局は負けるなんてことになれば、相手はルフィの祖父であってもそもそもは海軍。ハントを捕まえる以上、一緒になって挑んできたルフィたちを見逃すなんて決してハントには思えない。信じていないわけじゃない。ただひたすらに不可能だという結論にハントはいたっている。
だからこそ、ハントはその言葉を呑みこむ。
――信じてはいる。けど。
いつしか話さなくなった彼へと、ルフィが「お前ぇがそこまで俺たちを信じられないって言うなら……じゃあいいよ」
「ん?」
まさかこのタイミングで諦めてくれたんだろうか。脳裏をよぎった楽観的な思考は、次の一瞬でそんなわけがなかったとルフィの性格を彼に再認識させることになった。
「ハント……俺たちと決闘しろ!」
「……ぇ?」
「俺たちが勝ったら一緒にじいちゃんと戦う! 俺たちが負けたらもう何も言わねぇ!」
ルフィはいつもハントの斜め上の答えを導き出す。ハントが慌てて周囲を見てみると、仲間たちもルフィの答えに驚きはしたものの異存はない様子だ。
窓から流れる風が、ハントとルフィたちの間を流れていく。
まるで、この場を大気が見ているかのように。
太陽が空のてっぺんへと昇った時、彼らは対峙しいていた。場所は例の廃船場。アイスバーグを救った一味が仲間割れしているという情報はいったいどこから流出したのか、既に彼らの決闘を見よう
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