暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外36話『仲間の力』
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て、頭を下げて一日だけ待ってもらうっていう約束だけもらって、どうにか俺はここにいる……だから、行けないんだ。お前らとはもう……一緒に航海できないんだ」

 ――ごめん。

 小さく謝って頭を下げる。
 ハントの顔が地面へと向いたためその表情が皆に見えることは無いが、その時のハントの表情は泣きそうとか辛そうとか、そういった悲しそうな表情ではなくただただひたすらに困ったような、そんな思案顔。

 もちろん彼らと別れることが辛くないわけがない。けれど、それ以上に次に返ってくる反応がわかっていたから、それにどうやって対応したらいいのかがまだハントには浮かんでいなかったから。

 つまり――

「ばか言わないでよ! だったらルフィのおじいさんごとまたブッ飛ばしちゃえばいいじゃないの! そうでしょルフィ!」
「当たり前だ!」
「相手は伝説の海兵だったか? 相手にとって不足はねぇな」
「……折角ロビンちゃんが帰ってきたってのに、誰かが抜けるってのはおもしろくねぇよな……それが例えハントでもよ」
「よーし、俺がんばるぞ!」
「もちろん、私も戦うわ」

 ナミも、ルフィも、ゾロも、サンジも、チョッパーも、それにロビンも。

 ――仲間の、まるでそれが当然であるかのようなこれ。

 嬉しいはずなのに、やはり困った顔で「うーん」と渋るハントにルフィが業を煮やす。

「お前は俺たちと一緒にいたくねぇのか!?」
「……いたくないわけないだろ」
「だったら俺たちを頼れ! 仲間だろうが」

 当然だ、仲間なんだから。
 ロビンが一人でバスターコールの脅威から一味を守ろうとした時も、彼らはなんの躊躇いもなしにロビンを助けることに全力を果たした。だから、今回も。ハントを捕まえようとする相手がガープというルフィの祖父であろうが、関係ない。仲間に脅威が及ぶというのなら彼らは戦う。

「……」

 だが、ハントはそれに頷かない。

「無理だって、今回ばかりは流石に」
「無理じゃねぇ! ……相手がじいちゃんでも俺たちが――」
「――だから、それが無理だって言ってるんだ!」

 あくまでも一緒に戦おうと言ってくれるルフィへ突如、ハントが吠え出した。さっきまでどこか淡々としていたはずのハントの変化に、思わず皆が口をつぐむ。

「なんで……なんで無理……なのよっ」

 いや、ナミがいた。ハントを睨み、唇を震わせて、何らかの感情を呑みこんだ様相で彼女は声を発していた。

「っ」

 ナミのそんな表情を見せられて、ハントも息を呑み、声を失う。首を振り、なんらかの躊躇いを吹っ切るように彼は顔を上げて、決意した表情でもって「なら、言わせてもらうぞ」と言葉をつづけ始めた。

「皆の気持ちは嬉しいけど、はっきり言って悪い
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