番外36話『仲間の力』
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構えを取り腰を落とす。
「っか〜、流石にしぶてぇな、あのクソ甚平」
「ルフィ、右腕動く?」
「……動かす、じゃなきゃハントには勝てねぇ」
困ったように頭をかくサンジ、青く変色して変に膨らんでいている右拳を心配そうに見つめるナミと、それでも気にせず右拳を握りしめるルフィ。そんな彼らに、ハントがフと口を開く。
「みんな本当に強くなってるんだな」
どこか晴れやかに言うハントに、ルフィもまた同様に「ししし、そうだろ」と笑顔を向ける。
「戦いの時はいっつも俺だけ一人で行動してたせいでそれに全然気づけてなかったみたいだ……足手まといって言ったのは謝る。ごめん、みんな」
軽くだが、本気で頭を下げる。
全員に謝っても意識がないのがほとんど、と思われるかもしれないが、実はそうでもない。
ゾロもチョッパーも、ロビンも、ソゲキングも、フランキーも。全員意識はある。ただハントの魚人空手陸式のせいで体がいうことをきかず動けないだけだ。だからハントの言葉に、動けていない何人かが小さく息を呑む音が連続して場に落ちる。
「じゃあハント! 一緒にルフィのおじいさんと――」
「――けど、やっぱりお前らがルフィのじいちゃんを相手にするのは力不足だ」
すがるように紡がれそうになったナミの言葉をあえて遮って、ハントは言う。
「だから、ここでお前らを、俺はブッ飛ばす!」
「やってみろ! ハント!」
「オロすぞ、クソ甚平が!」
「甚平ばかにすんなっ!」
ルフィが2ギアで「JET銃!」で先制攻撃。それをハントは紙一重で避けて懐へ潜り込む。横合いからのサンジの「悪魔風脚!」という言葉に「5千枚瓦」とハントも態勢をサンジへと合わせる。
「画竜点睛ショット!」
「回し蹴り!」
体重を乗せた強烈な蹴り。それを、ハントは頭一つだけ背後へと逸らしながらの回し蹴りで対抗。
結果。
「う、ぐ……は」
サンジの蹴りは空を切り、ハントの蹴りがサンジの頭部へと吸い込まれた。
ほとんどカウンターで決まったハントの蹴りに、サンジがその場で崩れ落ちた。地面へと膝が落ちる瞬間に走る衝撃の爆発。大量の吐血とともに顔から地面に突っ伏した。それに視線を送ることなく続けざまにルフィに殴りかかろうとするも、ルフィは既に後退して一定の間合いをおいていた。
「速度も力も届かねぇなら! ゴムゴムの――」
「……?」
その距離の遠さから、ハントは僅かに首を傾げた。ナミは何かをしているものの、すぐに攻撃に移る気配はなく、とはいえいくらルフィでも距離が遠すぎる。先ほどの巨人族のような攻撃ならば届くが、この距離なら余裕で避けられる自信がハントにはあるし、それはルフィもわかっているだろう。
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