番外36話『仲間の力』
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ルフィからはなんだか面白そうな話が聞けそう。さっきサニー号が完成とか言ってたからもしかしたらそれの話なのかもしれない。
二人の言葉を、俺は本当は聞かなくちゃならないし、聞きたい。
けど、聞いてはダメだ。
俺にはもう――
だから、二人の口から音が発せられるその前に。
体を起こして、俺は言う。
「ごめんみんな、俺は次の島に行けなくなった」
――聞く資格がないのだから。
「……え?」
誰かのかすれた声が聞こえた。
場は騒然としていた。
「何言ってんだ、お前ぇ!」
「そ、そうよ! せっかくロビンが戻ってきて、フランキーも仲間になって、船も完成してこれからだ、っていう時に……変な冗談はやめてよ!」
予想通りに返ってきた、ハントにとっての嬉しい反応。今、声に出したのはルフィとナミだがそれ以外の面子も同様に目を白黒させており、それがまたこんな時だというのにハントを嬉しくさせる。
「……そっか、フランキーが船大工になってくれたのか。しかも、船ももう出来てたんだな」
「そうだぞ! 昨日お前がじいちゃんと決闘してる間にみんなでサニー号を見に行って、そん時にフランキーも船大工として仲間になってくれて……なんでいきなりそんなこと言うんだ!?」
ウソップが一味を抜けた時は感情的になっていたとはいえ、流れが存在していたし、お互いに譲れない意見をもって対立していた。だから混乱という文字はなかった。ロビンの時も青キジにより嫌な予兆というものがあった。
今回、ハントに何か予兆があるとすれば「英雄ガープに決闘で負けたから、かしら?」
昨日までは何もなかったのに、今日いきなり起きた途端に一緒に行けないと言う。それはつまり決闘が関係している、と考えるのが確かに普通だ。ロビンの問いにけれど、ハントは首を傾げる。
「決闘自体は関係ないのかな、多分」
「多分って!」
「いや、ナミさん。もしも決闘で負けた代償にハントが連れてかれるなら俺たちのところにハントを連れてくる意味がねぇ。関係がないとは思えねぇがそれが直接的な原因ってのも違和感がある」
ふんわりとした答えにムッとしたナミを、サンジが冷静に諭す。サンジの言葉はどうやら正解のようで、ハントは頷きながら言う。
「決闘とはまた別なのは本当なんだよ……昨日の夜に目が覚めたから散歩して、そこでルフィのじいちゃんに会って、それで俺を捕縛するって言われた」
「なんでいきなりハントだけ連れてかれるんだ?」
「理由は俺も聞いてないなぁ、そういえば」
チョッパーの問いに、どこか呑気に答えるハント。チラリとみんなへと視線を送って、またハントは言葉をつづける。
「それよりもお前らにちゃんと別れを言いたく
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