番外35話『壁』
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んだ。今はとにかくハントの目が覚めるまでは航海はだめだ。目が覚めてからならすぐにでもいけると思う」
「そっか、じゃあ少し休めば問題はなさそうなのね?」
「うー、フランキーもやっと仲間になったのにすぐに出航できないのか。なんでハントはじいちゃんと決闘なんかしたんだろーなー? あんなに手ぇ出すなって言っといたのに」
しぶしぶと納得しつつも、やはりどこかで不満があるらしい。ルフィにしては珍しくハントを責めるような口ぶりで唇をすぼめている。
余談だが、一味の仲間になったフランキーがここにいないのはフランキー一家たちとの会話を最後まで楽しんでいるからだ。どうせこれからはずっとルフィたちと一緒なのだから、航海が始まるその時までは家族といたいと思うのは当然だろう。
……と、まぁ、フランキーがいないことについてはともかくとして。
「ほんとよ、心配させるだけさせて! 鎖で繋いじゃおうかしら!」
ナミが冗談なのか本気なのか。本気としたら怖すぎることを平然と言う。
折角サウザンドサニー号という、船首がライオンになっている新しい船が手に入り、すぐにでも次の島にも行けるという状態で、加えるなら早くサニー号とともに船旅を始めたいと誰しもが心を弾ませたときに、ハントのこの怪我だ。
しかも、あと二日はかかるだろうと思われた船造りが急に今日出来上がるという嬉しいハプニングの後に、ハントが怪我で動けなくなり、結局は航海がお預けをくらてしまったという状況だ。
ハントが顰蹙を買うのは不運とはいえ、ある意味では仕方のないことだろう。
ただ、そういった空気が流れそうになる中で、ゾロがルフィへと口を開いた。
「こいつが俺たちとは違うから、じゃねぇか?」
「……違うって?」
「?」
首を傾げたナミとルフィ。二人以外の面子も不思議そうにゾロを見つめる。
「なぁルフィ、それにコックも……こいつの強さ、お前らはどれくらいかわかるか?」
「……そりゃ俺たちより強ぇよ。ハントは」
「ま、認めたくはねぇがルフィに同意だ」
ルフィとサンジの言葉を、ゾロは「そうじゃねぇ」と否定。
「俺が言いてぇのは、具体的な話だ。俺はお前とコックがどれぐらいのモンか、なんとなくだが把握してるつもりだ。今までの経験もあるしな。だが、俺はまだハントの強さだけはわからねぇ。底が見えねぇし、測れねぇ。お前らはどうだ?」
「……」
ゾロの言葉を受けて、二人が完全に黙り込んだ。それはつまり、ゾロと同様にハントの強さをよくわかっていないから。
「クロコダイル、エネルにこいつは負けた。もちろん油断したり他に気を取られたハントが悪ぃし、弱ぇのは確かだが、ハントの話を聞く限りはあいつらに実力そのもので負けたとは、少なくとも俺は思ってねぇ
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