番外35話『壁』
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で、それはつまりその頼みに対するルフィの気持ちでもあるのだが、とはいえハントがまだここへと戻ってきていないため麦わら一味も今すぐにこの島を出るというわけではない。
とりあえずはハントが戻り次第いつでも出航できるように、荷造りを始めた。
「うはー、楽しみだ! ハント早く帰ってこねぇかなぁ」
ワクワクと、手を動かしながら顔をだらしなくさせるルフィだが、そんな彼にナミが「そういえば」と呟く。
「今日は一日中帰ってこないかもしれないって言ってたわよ」
「え〜〜〜っ!? じゃあ今日出航できねぇじゃんよー! ハントどこにいんだ!? 連れ戻してくる!」
ナミに掴みかからんばかりの勢いで、詰めよるルフィにナミが慌てて口を開く。
「確か、廃船場に……いるとかなんとか」
それを聞いたとたんに飛び出そうとするルフィだが、その前にナミが「もう、私がハントを見てくるから! アンタはさっさと船でも見て来なさいよ!」と子供をしかりつけように言う。
「え〜っ、いいのか〜っ!?」
「はいはい、いいから行きなさいよ」
「わかった! じゃあハントは任せた! よーし、みんな! 先に行こうぜ!」
「そうだな、船がどんなもんか気になるしな」
「おれもおれも!」
本当に楽しみにしているのが分かるほどに純粋な笑顔で出ていこうとする男性陣を尻目に、ロビンがナミへと「わたしも行きましょうか?」と尋ねるも、ナミはそっと「ううん。大丈夫」と首を横に振る。
「ロビンも行ってきて、あいつらだけだどなんだか頼りないし」
その言葉で、ロビンがぽんと手を叩く。
「……ふふっ、そうね。邪魔しちゃ悪いわね」
「ってロビン!?」
「それじゃ」
顔を赤くして反論しようとするナミの言葉から逃げるようにロビンも船を見に部屋を出ていく。急に静まり返った室内を見回して、ナミもまた荷造りから立ち上がり呟く。
「さて、じゃあ私もハントの様子を見に行こっと! っていうかあいつ何してんのかしら。一日中って言ってたのよねー」
首を傾げながらも扉を開けようとして、その前に扉が乱暴に開け放たれて、慌ててその身を引いた。
「な、なに!?」
「ふーむ、なんじゃ、ルフィはおらんのか?」
ナミの困惑をまるで無視して入ってきた男は二日前に現れたルフィの祖父、ガープ。
「え? え? えっと?」
何の前触れもない彼の登場に、かける言葉がとっさに出てこないナミを見たガープはにっかりと、ルフィの祖父であることを再認識させるような笑顔でナミへという。
「こいつを届けに来ただけじゃ、ワシはもう行くから安心せい」
「……こいつ?」
と、ガープの肩に乗ってぐったりとしている、見慣れた甚平姿の男がナミの視界に入った。よく
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