parallel world5−『世界の名を持つ者』−
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をしろと?」
「彼に付かせている傍付きと、様々な世界から彼に対抗し得る力を持った人々を集めている。君もそこに合流してほしい」
「ふーん、ま、いっか」
「自分から話し掛けておいてなんだけれども、随分と軽く了承するね」
苦笑しながら《主》が言う。いやまあ、理由なんて言えるものは殆ど無いのだが、退屈だったのでつい……と言う奴だ。
「退屈なのは嫌いだし、面白そうな事にはとことん乗っていくタイプなんでね」
「じゃあ、今回のも面白いと?」
《主》が興味深そうに聞いてきた。その眼にそれ以外の感情は感じられないが、この男、何処か油断ならない。
「まあな。所で、アンタは何なんだ?」
「うん?ああ、僕も神の端くれだよ。ちょっと特殊な……ね?」
それを聞いても特に驚く事もなく、ワールドは次の質問を持ち掛けた。
「……ふぅん、で、アンタは何をしてくれるんだ?」
「うん?何の事?」
惚けるように《主》が首をかしげる。
ワールドは少しだけ額に青筋を浮かべ、再び《主》に問いかけた。
「いや、だから、アンタは人に世界の命運託して何をするんだ?って話だよ!見た所俺よりもアンタ強いだろう??」
「ああ、そりゃそうさ。君よりも僕の方が強い」
「そこを聞いてんじゃねぇ!アンタは何をするんだって聞いてんだよ!」
「あー、うん、それは__」
《主》はくるりと振り返り、ワールドに背を向けた。同時に手を伸ばし、次元の狭間を開く。
《主》は肩越しにワールドを見ると、悪戯っ子のように笑って言った。
「昼寝?」
「いや働けよ??」
思わずツッコミを入れるが、その時にはもう《主》は居ない。冗談だろうが、何故か冗談に感じないのは自分だけだろうか……
__と、その時、突如視界が揺らいだ。
意識が妙にボヤける。
身体中の感覚が遠ざかる。
抗う気力すらも湧いてこない。
ワールドの意識は、得体の知れない何かに飲み込まれていった。
◇◇◇
「……ッ??」
ワールドはすぐさま眼を開いた。
暗い。電気が点いていないのか、視界には何も入らない。
手探りで周りを徘徊し、手にぶつかった何かを触ると、部屋に光が灯った。
眩しい。
こんな事を考えるのは何年ぶりだろうが。
仮想世界では当然そんな生理現象起きる訳も無いし、アンダーワールドでもここまで強い屋内用光源は無かった。
__いやちょっと待て。なぜそんなリアルな現象を俺が起こしている?
ワールドはAIだ。人間の
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