五十三話:教師に呼び出されると緊張するよな
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は偽物だと。
その瞬間、彼の心は壊れてしまった。今でも容易く思い出せる憎しみの籠った眼と共に送られた“アイボー”の最後の言葉と共に――“ルドガー”の……嘘つきっ!――
嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つきっ!
「うあぁぁぁっ! ……ハア…ハア……また、あの夢か」
男、ヴィクトルは跳ね上がるように目を醒ます。ベットリとシャツに染みついた嫌な汗が気持ち悪いが今の彼にそれを気にする余裕はない。脳裏にこびりついて離れない自分の“アイボー”の最後の言葉にうなされるのは一体何度目だろうかと彼は体を震わせながら考えるが直ぐにやめる。数えるのも馬鹿らしくなるほどその夢を見て来たのだ。
それに数えたところで罪が無くなるわけではない。ふと、目を窓の外にやってみると夕日が沈んでいくところであった。どうやら、いつの間にか、まどろんで昼寝をしてしまっていたらしい。彼は嫌な記憶を払拭するかのように服を着替えることもなく外へと出て風に当たる。しばらく風に当たっていると汗が蒸発して体から熱を奪っていくが彼は気にしない。
『そんなところにいたら、風邪を引くわよ。ルドガー』
ふと、妻が生きていた日の事を思いだして鼻の奥がツーンと熱くなるのを感じる。彼女と一緒に寝た夜だけは彼は悪夢を見ることが無かった。酷い時は眠るのが怖くて一睡もしなかった彼を彼女だけは癒すことが出来た。恥も外聞もなく彼女に泣きついた夜もある。でも、いつだって彼女は自分の全てを受け止めてくれた、愛してくれたと、彼は手袋の下に隠された婚約指輪を見ながら思い出す。だが、そんな彼女はもうどこにも―――いない。
「会いたいよ……ラル」
まるで、小さな子供が母親を探すかのような切なげな声を零すヴィクトル。だが、かつてであればその手を取ってくれた愛しい人達はもうどこにもいない。小さい頃は公園のブランコに座って待っていれば帰って来たユリウスがその手を取ってくれた。ラルと会ってからはこうして一人で立っていればいつでもここに来てくれていた。
だが……彼等はもうここにいない。彼がその手で殺してしまったから。何度も死のうと思った。眠っている間に死ねればどんなに楽になれるだろう
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