3部分:第三章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第三章
「貴様・・・・・・いえ貴方と付き合ったら」
「幸せになれるよ」
そう囁いた。
「それでね」
「一緒になれたらか」
「どう?一緒になる?」
ここでまた囁いて。さあ、今度で遂にかな。何か思ったよりガードが固いけれど。
「俺と」
「それは私だって年頃だし」
「そうだったの」
「まだ。十七よ」
おいおい、タメ!?ちょっと待てよ。
「十七っておい」
今度は俺が驚いちまった。
「俺十七なんだけれど」
「えっ!?」
カーラちゃんも驚いていた。何か実際の容姿より幼く見える感じなんで。ついついもっと小さいのかなって思っていったけれど。これは意外だった。
「同じ歳なの」
「ああ、そうだよ」
俺は驚きを隠せないままカーラちゃんに答えた。
「何だよ、それって」
「けれど。かえっていいわ」
それでもカーラちゃんはこう言ってきた。
「それもね」
「いいのかよ」
「だって。同じ歳ならかえって」
むしろいい感じになってきた。これは計算外だったけれど俺にとっては運がよかった。
「安心できるわ。それだったら」
「いいの?」
「ええ」
真っ赤な顔になって。こくりと頷いてきた。
「いいわ。私の貴方と一緒に」
「よかった。そう言ってもらえると嬉しいよ」
何か俺の方が大喜びで。思わずカーラちゃんを抱きかかえて玉座の上で小躍りしだした。
「やったね、カーラちゃんと一緒になれたよ」
「あっ、ちょっと」
カーラちゃんは抱きかかえられてその姿勢で俺に戸惑った顔を見せてきた。
「そんなにはしゃがないで。はしゃぐのは」
「はしゃぐのは?」
「まだ先よ。ここじゃないわ」
「ここじゃないって」
「場所。変えましょう」
視線をそっと逸らして述べる。
「私の部屋に」
「カーラちゃんの部屋?」
「ベッドがあるから」
おいおい、またそりゃ積極的な。いきなりそれかよって心の中で思っちまった。
「そこでね」
「いいの?」
俺は一応尋ねた。この初々しさから見てそうした経験は全然ないようにしか見えなかったからだ。やっぱり経験のない相手にはそれなりのことをしなくちゃいけない。
「それで」
「ええ、いいわ」
カーラちゃんの返事は決まっていた。
「それで。いいわよ」
「わかったよ。じゃあ寝室まで案内して」
「わかったわ。けれどね」
また注文が来た。恋する女の子ってのは注文が多いものだ。
「このままで連れて行って」
「抱きかかえたまま?」
「ええ、このままね」
そう俺に言う。
「それで御願いできるかしら」
「わかったよ。それじゃあ」
俺はその言葉に頷いて。カーラちゃんに案内されて彼女の寝室に向かった。何か魔王もこうしてみると普通の女の子で当然ベッドの中でも普通の
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ