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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-14 障壁を乗り越えて
Story14-4 互いの気持ち
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んで大きく距離を取った。
翅を広げてぴたりと静止し、高く、高く、大上段に剣を構えている。
これがリーファの最後の一撃だ。
それをキリトも感じたのか、彼も体を捻り、後方に大きく剣を振りかぶる。
一瞬、凪いだ水面のような静謐が訪れた。
そして、同時に2人は動いた。
空を焼き焦がす勢いで、リーファが宙を駆け、長刀がまばゆい光の弧を描く。
キリトも同じようにダッシュし、後方に腕を振りかぶり、剣を輝かせながら空を裂いて飛んだ。
リーファの愛刀が頭上を僅かに越えたところで、リーファは長刀を手放した。
主を失った剣は、光の矢となって空高く飛んでいく。
しかし、彼女はそれに目を向けることなく、両腕を大きく広げ、キリトの剣を迎えようとした。
恐らく彼女は、自分がキリトを傷付けようとしたことに対し、謝罪の意を込めて彼の剣の下に、自分の分身であるその身を差し出したのだろう。
リーファは両手を広げ、眼を半ば閉じてその瞬間を待っているようだった。
しかし、飛翔しているキリトの手にも、剣はなかったのだ。
「「……!?」」
キリトもリーファと同じタイミングで両手の剣を手放していたのだ。
2人はそのまま宙で交錯し、同じように両腕を広げたキリトとリーファの体が正面から衝突する。
2人はエネルギーを殺し切れず、お互い重なって、そのまま回転しながら吹き飛ばされていった。
「どうして……」
「何で……」
そう同時に言う2人が沈黙し、視線を交差させたまま、しばらく慣性に乗って空を流れ続けていたが、やがてキリトが翅を広げ、姿勢を制御して回転を止めながら口を開くのが微かに見えた。
「俺、スグに謝ろうと思って…………
でも……言葉が出なくて……せめて剣を受けようって……」
キリトがリーファの背に回した両腕にぎゅっと力を入れる。
「ごめんな、スグ。
せっかく帰ってきたのに……俺、お前をちゃんと見てなかった。
自分のことばかり必死になって……お前の言葉を聞こうとしなかった。
ごめんな……」
その言葉を聞いたリーファの両眼からは迸るような涙が溢れていた。
「あたしのほうこそ……」
それ以上は言葉にならなかったようで、リーファの泣き声だけが響いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
数分後、まだリーファは泣き止んでいないようで、キリトはそっと頭を撫で続けている。
キリトが話し始めた。
「俺……本当の意味では、まだあの世界
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