空白期 中学編 16 「夏、本番?」
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「全力で相手してたら倒れるぞ」
「まあ確かに……フェイト、あんたそんなに人の目が気になるんなら上着くらい着てきなさいよ」
「え……いや、その」
「……濡れてもいい上着持ってきてないの?」
アリサの問いにフェイトは小さく首を縦に振った。アリサは額に手を当てながら呆れたようにため息を吐き、視線をこちらに戻してくる。
「ショウ、あんたフェイトに上着貸してやりなさい」
視線がこちらに向いた瞬間に予想してはいたが、まさか命令の形で言われるとは。
まあ別に貸すのはいいんだけど……思ってたより日陰もあるし、日焼け止めも持ってきてるから。ただ……俺はともかくフェイトのほうは、異性から借りることに抵抗があるのでは。
「え……い、いいよ別に。わ、私なら大丈夫だから!?」
「どこが大丈夫なのよ。あんたみたいに変に周囲の視線窺ってると弱気だって思われてるでしょうが。馬鹿な男共が寄ってきたらどうすんの。別に汚くはないんだから借りときなさい」
アリサは上着を寄越せと言わんばかりにこちらに手を出してきた。こちらとしても、あまり恥ずかしがられると目のやり場に困るので都合は良いのだが、別に汚いといった言葉は要らなかったと思う。
上着を渡すと、アリサは半ば強引に俺の上着をフェイトに押し付けた。彼女の勢いに負けたのか、フェイトはゆっくりとだが俺の上着を着込む。
「何かごめんね。アリサちゃんも悪気はないんだけど」
「それは分かってるよ。素直じゃなかったりするけど良い奴だから」
「そう言ってもらえると安心かな……そういえば」
なのはは視線だけこちらを見上げ、再度口を開く。
「さっきユーノくんと何を話してたの?」
「え……あぁクロノのこととか……流れで恋愛に関することとか」
……何を素直に答えてるんだ俺は。最後は完全に余計だろ。
「そ、そっか……ショウくんでもそういう話するんだね」
「まあ……同性の間ではな」
「男の子とだけ? はやてちゃんあたりとはしないの?」
「あいつとまともにそんなことができると思うか?」
「にゃはは……相変わらずはやてちゃんには厳しいね」
「甘やかしてもいいことはないからな。余計にふざけるだけだし」
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