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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 16 「夏、本番?」
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いんやけど」
「別に見てない」
「またまた〜、少し顔赤くなっとるで。ショウくんはむっつりさんやな」

 ニヤニヤしながら人の顔を覗き込んでくるはやてに苛立ちを覚える。が、計算しているのか、はたまた偶然なのか、彼女に視線を向けると胸の谷間まで視界に入ってしまう。
 いくら親しい間柄とはいえ、最低限度の異性意識は持っているのだ。また付き合いが長いだけに年々女らしい体つきになっていくはやてに思うところもある。あのはやてが今のような体つきになると誰が予想できただろうか。
 異性意識を持たないレヴィならともかく、こいつに今抱きつかれたりしたらまともに話せるかどうか……。まあ前ほど身体的接触はしてこなくなっているんだが。しかし、性格が性格だけに油断ができない。

「正直に言えば、みんなはともかくわたしのはいくら見ても構わんよ」
「お前……そんなに見てほしいのか?」
「当たり前やないか。何のために新しい水着買ったと……冗談、冗談やから。そんな冷たい目で見るんはやめてほしいんやけど。わたしのハートはこう見えて脆いんやで」

 そう言って壊れた試しが今までに一度でもあったか。あったとしても、次の瞬間には何事もなかったように復活してただろうが。

「まったく……あんた達は相変わらず仲良いわね」
「もうアリサちゃん、そないなこと言わんといて。恥ずかしいやんか」
「……演技だって分かってると妙にイラつくわ」

 アリサ、今なら止めたりしないから感情のままにはやてをやってしまってもいいぞ。こいつは少し痛い目に遭わないと理解しない奴だから。

「まあまあアリサちゃん、はやてちゃんもああ見えて緊張してるんだよ」
「どこがよ?」
「だってはやてちゃん、着替えてるときに『似合ってないとか言われたらどうしよう……』みたいなこと言ってたもん」
「ちょっすずかちゃん!?」

 はやては顔を真っ赤にし、凄まじい勢いですずかの口を塞ぎに行くが、あいにく身体能力はすずかのほうが上であるため、簡単にあしらわれている。

「聞かれてたのはともかく、言うのはひどいで。言うたらあかんって分かるやろ」
「うん、でもショウくんに素直になったほうがいいとか言うならはやてちゃんもたまにはね」
「うぅ〜、今日のすずかちゃんはいけずさんや」

 頬を赤らめたはやては、少しいじけたようにこちらに顔を向けると、誤解せんといてなと言ってくる。なので淡々と分かってるから落ち着けと返しておいた。
 付き合いが長いだけに本心を隠すのが上手いことは知っているし、はやてだって中学生の女の子だ。人並みに異性からの目は気にするだろう。特に俺とは距離感が近いだけに、似合ってなければ即座に切り捨てられてもおかしくない。

「あんたって本当にはやてへの反応が淡白というか薄いわよね」
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