2部分:第二章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初
いに嫉妬しているとは。表ではわからないものなのですな」
「人とはそういうものです」
住職もそれに応えて述べた。
「心の中はわかりにくいものです」
「左様ですな。いや、全く」
住職のその言葉に素直に頷くことができた。今は。
「まさかこんなことになるとは。ですが大事に至らなくて結構なことです」
「何事も気付いたうちにすれば」
住職がまた言葉を出す。
「それで解決するものです。些細であるうちに気付いて」
「全くですな。その通りです」
この日から二人の側室はそれぞれ別の部屋で休み仕事も分けられることになった。二人の仲は前にもましてよくなり実吉は二人を公平に愛し子宝にも恵まれるようになった。だがその陰でこうしたことがあったことは世には知られていない。何事も世間が気付く前に摘まれるものだからだ。表ではこともなし、というわけだ。
髪と蛇 完
2008・5・3
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ