第四十四話 薊達の決意その十一
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「陸とか空でな」
「まず漕ぐことはないわね」
「防大だと短艇委員会とかあるらしいからな」
「それだけにね」
「海自さんのお家芸なんだな」
「あれで腕力とチームワークを養うらしいのよ」
その双方を、というのだ。
「それでなのよ」
「凄い訓練してるんだな」
「そうなのよ」
裕香はこう薊に話した。
「とはいっても私はしたことなくて」
「知ってるだけか」
「そうなの」
実は、というのだ。
「そこはね」
「まあそれはな」
「それは?」
「仕方ないよ、ああいうのそうそうやる機会ないからな」
薊はこう裕香に返した。
「うちの学校にはヨット部ってあるけれどな」
「そうした部活に入るか本当に自衛隊にでも入らないと」
「漕ぐ機会ないさ」
とても、というのだ。
「あたしだって観ただけでな」
「やったことないのね」
「ああ、ないよ」
その通りだとだ、薊は裕香に答えた。
「何か大変そうだな、あれも」
「あれはね」
「漕ぐだけでも相当な力いるよな」
薊は経験がなくともだ、そのことはわかった。
「水って重いからな」
「そうよ、水の重さは凄いわ」
こう答えてきたのは菖蒲だった。
「それは馬鹿に出来ないわ」
「だよな、水圧でものも切れるよな」
「深海に入るとそれこそ」
「何でも押し潰されて」
「もたないわ」
「水入れたバケツも重いしな」
重量にもよるがだ、それは確かに重い。薊は菖蒲を使うその力のことを考えつつそうしてこう言ったのだった。
「水の重さって馬鹿に出来ないからな」
「漕ぐ場合もね」
「そう思うとな」
「短艇をすることも」
「簡単じゃないな」
こう言うのだった。
「防大で最初に見た時はそうは思わなかったけれどな」
「今は、なのね」
「そう思うよ、あと防大は運動部ばかりだけれどな」
スポーツで自衛官としての身体と団結心を育てる為だ、このことはどうしても必要であるから防大は部活は必ず入らないといけないのだ。
「色々あったぜ」
「そんなにあるのね」
「ああ、剣道も柔道もな」
薊は菊にまずはそうした部活を挙げた。
「他にも一杯あったぜ」
「それでそうした部活をなのね」
「あちこちでやってたよ」
「そうなのね」
「あそこはまた特別だな」
「特別な大学なのね」
「やっぱり違うよ」
他の大学とは、というのだ。
「この大学ともさ」
「この大学も独特だけれどね」
「無茶苦茶広くて色々な学部があって」
「色々な場所があってね」
「独特だよ」
そうだとだ、薊は今自分達がいる八条大学についても言った。
「面白い大学だよな」
「色々と逸話もあるしね」
「色々な国から人も来てるしな」
薊は留学生のことも話した。
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