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ドリトル先生と二本尻尾の猫
第三幕その十

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「じゃあまずはね」
「まずは」
「ちょっと皆を集めるわ」
 こう言うのでした。
「そうするわ」
「猫の皆をだね」
「私の近くにいるね。実は私猫又で百年生きてるから」 
 このことも言うお静さんでした。
「この辺りの猫の顔役の一匹なのよ」
「あっ、そうなんだ」
「そうなの、もっともこの街には猫又結構いてね」
「お静さんだけじゃないんだ」
「そうなの、実はね」
「この街には猫又が他にもいるんだね」
「長老さんもおられるわよ」
 その方はどうした方かといいますと。
「千年生きておられる九本尻尾のね」
「九本尻っていうと」
「狐さんと同じよね」
「そうなるわね、あと千年生きた犬さんや狐さんもいるから」
 彼等もというのです。
「狸さんも」
「この街は一杯にるんだね」
「そうよ、私達みたいな存在もね」
 つまり妖怪の人達がです。
「凄いでしょ、千年生きている動物達がこんなにいるのよ」
「猫に狐に狸に犬に」
「他にもいるわよ」
「妖怪変化が集まる場所なのかな」
「この学園を中心として集まるの」
 八条学園、ここにというのです。
「この学園は結界があるけれど泉があってそこから学園の外にいても入られるほよ」
「君達も」
「そう、妖力を持っていてもね」
 つまり妖怪変化であってもというのです。
「いけるのよ」
「そうなんだね」
「そう、それでね」
 ここでまたお話を変えてきたお静さんでした。
「まずは私が元締めやっている場所の娘達集めてね」
「情報収集だね」
「そうさせてもらうわ」
「そうするといいよ」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「先生は恋愛は駄目なのね」
 このことも言うのでした。
「そういえばそんな感じだしね」
「そうだよ、昔からね」
「もっと積極的になってもいいのに」
「もてないよ、僕は」
「外見はそうでも大事なものはあるじゃない」
「大事なもの?」
「そう、心よ」
 そがあるというのです、先生は。
「とてもいい人だから」
「皆にそう言ってもらうけれど」
「私達だってそうだから」
「猫でもだね」
「大事なのは性格」
 それに尽きるというのです。
「まずはそれよ」
「外見は大したことじゃないのかな」
「いえ、それは大したことよ」
 お鈴さんはこのことは否定しませんでした。
「猫でも人間でもね」
「それでもなんだ」
「そう、まあ私はこの通りね」
 にこにことしてしかもくるくると可愛らしく動き回りながら言うのでした。
「抜群の可愛さだけれど」
「猫としてだね」
「自分でも思うけれど美形よ」
 こうまで言います、先生に対して。
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