番外34話『邂逅』
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海軍の制服だということに気付いた一味の面々が、ルフィを守るようにその男の前へと立ちふさがったのだが「起きんかぁっー!」という喝とともに、海軍の男は一味の面々の壁を通り抜け、そのまま拳骨をルフィへと振り下ろした。
「い!? いてぇっ!」
おそらく、ルフィにとって久しぶりの痛みだろう。純粋な打撃によって痛みを覚えて、ルフィは目を覚ました。
「ルフィが『いてぇっ』だと!? ……てこたぁ……ハント! 今のは」
「あ、ああ……武装色の覇気だったな、今の……いや、けど――」
サンジの言葉に、心ここにあらずといった様子で頷いたハントは続きを言いかけて、けれどその言葉を呑みこんで海軍の男へと視線を送る。そんな彼らの様子に海軍の男は「無粋なことを言うな、まったく……愛ある拳は防ぐ術がないだけじゃ」とルフィへと笑う。
「ずいぶん暴れとる様じゃのう、ルフィ!」
「げぇ! じ、じいちゃん!?」
「えぇ!? じいちゃん!?」
その男、ルフィのじいちゃん。伝説の海兵とされ、海軍の英雄とも称され、海賊王ロジャーとは宿敵関係だった現・海軍中将ガープ。それがルフィの祖父の名だ。ルフィの祖父が海軍だったということよりもルフィの祖父が目の前に現れたという事実に一味の全員が驚きの声をあげる中、ハントだけはそれとは違う反応を示していた。
――ルフィのじいちゃん? いや、そんなことより……強いぞ、この人。
ハントがガープの強さに目を見張っているのは、ついさっきの出来事が原因。
いきなり壁から現れたガープを海軍だと気づいて警戒し、ルフィを守るようにしてガープの前に立ったのはサンジと、チョッパーとフランキー。ハントは単純に海軍だと気づくのが遅れたため横からそれを見ていたが、とにかく。
ガープは、立ちはだかった3人の隙間をいとも簡単に突破し、ルフィを殴った。
そのことにハントは何よりも驚いていた。
確かにハント自身、気を抜いていた。サンジたちもいきなり現れた乱入者が有無を言わさずにルフィを殴るとは思っていなかったし、同様に完全に戦闘態勢には入ってはいなかっただろう。だが、それでも正面に立ちはだかったサンジたちに何の反応もさせないほどの高速でもって、真正面から彼らを突破するという行為は簡単ではない。
なにより、ハント自身、ガープの動きを追えなかったことが、ハントにとっての驚愕だった。
悪魔の実の能力ではなかった。明らかに単純な一直線の動き、身体能力での動きだった。それを、ハントは目で追えなかったのだ。その速さは彼の師匠、ジンベエを上回る早さだったかもしれない。
――師匠より早い? いや、気を抜いてたし、けど。
「ガープっていったら海軍の英雄の名前よ!?」
「おい、本当にお前のじいちゃんなのか!?」
「そうだ…
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