暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外33話『バスターコールバスター』
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人の魚人でもない人間があんなことを出来る!?』
『退避しろ! 能力者は別の軍艦に飛び移るなり、非能力者に背負われるなり、とにかく艦から脱出しろ!』
『中将殿はどうされるので!?』
『海坊主を仕留める!』

 スピーカ越しの会話が響く。きっとこの会話は司法の島中に響き渡っていることだろう。

 ――あと、2隻。

 それらがわかっているからこそハントは体中の痛みに、まだ耐えられる。ルフィが戦っている。ナミたちが待ってくれている。あと少し。

「海坊主ハント!」
「……たった一人の海賊にバスターコールが潰されるなどあっていいことではない!」

 モヒカン頭と口ひげが特徴の男と、体中に十字の傷がある男。前者がモモンガ中将で、後者がドーベルマン中将だ。ハントの頭上で、ここにいたCP9同様に六式の一つ、月歩で空を跳ねている。

「魚人空手」

 中将二人に頭上を取られたハントはなおも止まることは無い。両手の掌を海面へと向けて、ハントは放つ。

海神の裁き(エル・ポセイドン)

 エネルの名前をもじった技。これもまた軍艦に穴をあける威力を誇るのだろう。突如として放たれたそれは、空を飛ぶのではなく空を跳ねるという彼らにとってはあまりにも高速過ぎた。

「むっ!?」

 慌てて避けようとするも、間に合わないことを悟り、必死になって身を固める彼らを、巨大な水のレーザービームが撃ちぬいた。それで、終わりだった。

「くそ、海坊主とはよく言ったもの……まさに……海の妖怪だ」

 モモンガか、ドーベルマンか、いったいどちらが呟いたセリフのなのか。両者がお互いに顔を見合わせて、そのまま海面へと落下した。

「……あと、二人と2隻」

 もはや、バスターコールはほぼ崩壊している。それでもハントは止まらない。何度かの深呼吸を繰り返し、そのまま残り2隻の軍艦に狙いを定める。ハントに関しては先ほどの2人の中将に任せておけば問題ないという方針なのか、それとももっと別の何かを優先させたのかはわからないが、既に軍艦から大量の海兵がルフィを待つ麦わら一味めがけて投入されている。

 ――一気に……沈めてやる!

 それをなんとなく視界に収めたハントは、とりあえずは2隻の軍艦沈めてやると気合を入れて、また構える。やることはエニエスロビー正門で3隻の船を沈めときと変わらない。魚人空手陸式で水を撃ちだし、空気の振動で加速させる。全くおなじことをやればいいだけの話だ。ハントにとって難しいことでは、決してない。『海竜(レヴィアタン)』という技名も、龍というその姿も、明らかにエネルの『6000万V雷龍』から影響されているが、だからといって問題もない。

 水の技を放つために、普段ならば魚人空手を用いるが、今回ばかりのこの技は魚
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