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赤い服のアルバイト
5部分:第五章
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第五章

 彼が戻るとそこには既に結構な数のサンタ達が戻っていた。話を聞けば皆同じ様な行動を取ってプレゼントを配っていたのであった。
「何だ、あんたもか」
「あんたもかいな」
「ああ」
 関西弁を使うそのサンタの言葉に答えた。
「そうなんだよ。本当に自然にな」
「出したらそれがそのままプレゼントになってな」
「不思議なことだ」
 目を顰めさせて言う遼太郎だった。
「全くな」
「ホンマに。けれどあれやな」
「あれ!?」
「そや、あれや」
 関西弁のサンタはここで彼に言うのであった。
「気持ちええな」
「気持ちいいのか」
「ええことしたのは間違いないからな」
 彼が言うのはこういうことだった。
「子供にただでプレゼントを配る」
「ああ」
「それは悪いことやないやろ」
 遼太郎に対して言うのである。二人共今も完全にサンタクロースの格好なので相手の顔がそういったものか全くわからない。見れば鏡合わせのサンタが話し合っているように見える。
「それってな」
「それもそうか」
 彼の言葉に頷く遼太郎だった。
「言われてみればな」
「そや。ええことした後は気持ちがええ」
 話すその声が朗らかなものになっていた。
「ホンマにな」
「そうだな。とにかくこれで仕事は終わった」
「気持ちよくな」
「百万か」
 遼太郎はぽつりと金の話を口にした。
「これでな」
「ああ。そういやそうや」
 金の話を聞いてもどうということはない感じの関西弁のサンタクロースの言葉だった。
「百万やったな」
「そうだ。けれどだ」
「それよりも気持ちよかったな」
 これは彼も感じていた。
「プレゼントを配ってな」
「ホンマや。見てみいや」
 上を見上げた。その夜空を。そうして彼にもそれを促してきた。
「空な。皆戻って来たで」
「終わったんだな」
「そうや。これで終わりや」
 また言う関西弁のサンタだった。
「楽しいクリスマスもな」
「皆さん」
 彼の今の言葉と共にまたスタジアムのモニターにサンタクロースが現われたのだった。
「おっ、サンタさん」
「出て来たな」
「今宵はどうも有り難うございます」
 まずは満面の笑みで彼等に述べてきたのだった。
「おかげで子供達も満足してくれました」
「だったらいいけれどな」
「全く」
 そのことには満足はしている皆であった。当然その中には遼太郎も入っている。ただ彼の場合はそれを顔には出していないだけである。
「その御礼といっては何ですが」
 サンタクロースはスコアボードの頂上にもいた。そこからも話してきていた。
「まずは御礼のお金は皆さんのベッドの枕元に置いておきます」
「それがクリスマスプレゼントだぎゃ」
「これでわかったでごわす」
「そしてです
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