番外編036話 if 真・恋姫無双編 06話
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ただろう。だが、この部隊の指揮官としてのプライドか、取りあえず目の前にいる敵に攻撃を仕掛けていただけの為か、はたまた自分の実力に絶対的な自信を持っているからか。ともあれ、華雄の部隊は夏侯惇とは全く違う方にいる黄巾党の部隊へと向かって突出していたのだ。
幾ら黄巾党が農民や食い詰め者、あるいは盗賊の集まりだからといっても、これだけの人数がいれば、多少は頭が回る者もいるのだろう。華雄の猪突猛進ぶりを見て懐に引き込み、数で鏖殺しようとしているのが見て取れた。
(恐らく最後、自分の力に対して過剰なほどの自信を持っていたんだろうな)
内心で考えつつ、アクセルは祭の方へと視線を向ける。
見捨てるのか、あるいは助けるのか。その判断を求める視線に、祭は一瞬で判断を下す。
この辺りの判断の早さは、さすがに呉の宿将と言われているだけあるのだろう。
……もっとも、本人にそれを言えば年寄り扱いするなとむくれるのだが。
「アクセル、あ奴を助けるぞ! このまま見捨てて討ち取られれば、向こうの士気が天井知らずに上がりかねん!」
素人の集まりだからこそ、士気の上昇により高い能力を発揮する。それを避けるべき、と判断した祭の言葉に、アクセルもまた頷く。
「分かった。なら俺が先頭になって突っ込む」
鉄の棍を振りながら、黄巾党の者達を吹き飛ばしなが告げる言葉に、祭が言葉を返す。
「よいのか? 儂の護衛じゃろうに」
「構わない。そもそも、その護衛対象が先頭に立っているんだしな。……いくぞ!」
そう告げ、そのまま鉄の棍を振り回しながらアクセルは地を駆ける。
「皆の者、アクセルに続けぇっ! 孫呉の精兵ここにありと周囲に示すのじゃ!」
『おおおおおおおおおお』
皆が一丸となってアクセルの後に続く。
この辺の団結力の強さは、孫呉に魅力を感じていたり、あるいはそれを率いている雪蓮や冥琳、祭の人望だろう。
もっとも、兵の中にはそんな者達と仲のいいアクセルを羨んでいる者も多いのだが。
「どけえぇっ!」
縦横無尽に鉄の棍を振るいながら、黄巾党の者達を文字通りの意味で掻き分けながら進んでいくアクセル。
華雄の部隊を完全に包囲しようとしていた時だった故に、背後からのアクセルの攻撃を黄巾党が防ぐ事は出来なかった。
手や足、胴体、あるいは頭部を破壊されながらピンボールのように吹き飛び、黄巾党の者達を吹き飛ばす武器の如き扱いをされる。
そんな状態で突き進み、やがて包囲を抜け……華雄のいる場所へと到着した。
「華雄、一端退け!」
「ふざけるな! 我が武をもってすればこの程度!」
「それこそふざけるな! 猪として死ぬのなら、せめてお前一人で死ね! 兵士を巻き込まないでな!」
怒声に返すのも怒
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