番外編036話 if 真・恋姫無双編 06話
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バラに戦うのでは、烏合の衆でしかないのだから。
「それでは集まった意味がないのではないか?」
派遣された部隊の中で30代程の男がそう告げるが、華雄は全く気にした様子も無く頷く。
「意味はある。ここにいる以上、ここにいるのはそれぞれの軍から派遣された一角の武将だろう。であれば、その武の力を持ってすれば黄巾党如き有象無象でしかない」
そう告げる華雄の言葉に、一切の曇りは存在しない。真実、心の底からそう思っているのだろう。
自らの武の力があれば、黄巾党如き何程のものでもないと。
「では、各々出陣の準備をせよ! 時間はないぞ、すぐにでも黄巾党を叩くのだ! 以上、解散!」
その言葉と共に、その場にいた者達が去って行く。
華雄の言葉に従うのは色々と不安があったが、それでも官軍としてこの場にやって来た以上、それに従わざるを得なかった。
もっとも、その言葉全てが間違っている訳ではない。ここに派遣された部隊の者達は、皆それぞれ精鋭であり、そこには当然相応の流儀がある。その流儀が他の部隊と同じ筈もなく、各個に行動するというのは、自らの力をより十全に発揮させるという意味ではあるいはベストの選択であったのかもしれない。
……その精鋭をきちんと纏め上げる事が出来れば、より強力になっていたというのもまた事実ではあったのだろうが。
「アクセル、儂等も行くぞ」
「ああ。……いや、ちょっと待った」
祭の言葉に頷きそうになったアクセルだったが、何故か華雄が自分達の方へと向かって近づいてくるのに気が付くと、立ち去ろうという動きを止める。
祭もまた同じ事に気が付いたのだろう。その場で華雄がやってくるのを待つ。
「お主等が呉から派遣された部隊か?」
「は! この部隊の将を任された黄蓋と申します。こちらは補佐のアクセル」
「ふむ。……呉、か」
「華雄殿?」
「いや、何でもない。お主等も準備を怠る事のないようにな」
そう告げ、去って行く華雄。
何か言いたげではあったが、それを口に出す事が出来ない。……いや、したくない。
そんな雰囲気を出していたのに首を傾げながらも、アクセルは祭の方へと視線を向ける。
それに気が付いたのだろう。祭は苦笑を浮かべて口を開く。
「あの者と堅殿……策殿の母親の間にはちょっとした因縁があってな。恐らくその事に関してだろうよ。さぁ、それよりも準備を開始するからボケッとするでないぞ。お主も儂の護衛としてではあるが、きちんと働いて貰うのじゃからな」
口元に笑みを浮かべ、バンバンとアクセルの背を幾度となく叩くのだった。
「曹操軍、敵部隊の中央を突破しました! その義勇兵である劉備軍もまた、その後に続いています!」
兵士の報告に、獰猛な
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