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赤い服のアルバイト
3部分:第三章
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は」
「プレゼントはそれを欲しい子に与えられるのです」
 穏やかな笑みを浮かべて皆に述べてきたのだった。スコアボードの頂上のサンタクロースもモニターのサンタクロースもそれぞれ同じ顔になっている。
「それが欲しい子に」
「だからですか」
「大丈夫なんですか」
「そうです」
 やはりにこりとして皆に話した。
「ですから。皆さんはそれぞれの子供達にプレゼントを配って下さい」
「まあ大丈夫っていうんなら」
「それなら」
 当のサンタさんに保証されてとりあえずは安心した。そのうえで顔を見合わせて言い合うのだった。
「やりますね」
「今からですよね」
「まずは着替えられることを忘れずに」
 このことを言うのを忘れないサンタクロースだった。
「貴方達は今日はサンタクロースなのですからね」
「そうだよな、やっぱり」
「赤い服に髭がなくちゃサンタじゃねえよな」
「そうだよな」
 やはりそれは忘れてはならなかった。サンタクロースはその赤と白によりサンタクロースとなっているからだ。彼等もここでもサンタクロース本人に言われて納得するのだった。
「では。開始は夜になってからです」
「夜になってから」
「いよいよ」
「今宵子供達は期待に胸を膨らませて眠っています」
 サンタクロースは柔和な笑みで語る。
「その子供達にプレゼントをするのが貴方達なのです」
「サンタの俺達が」
「おいよ、それってよ」
 中にはうきうきとした顔になっている者もいた。
「すごかねえか?」
「ああ、そうだよな」
「すげえよ、これって」
 今まで何が何なのかわからないまま聞いていたので実感が沸かなかったがここでそれがようやく沸いてきたのだった。沸騰するまでに少し時間がかかった。

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