番外30話『一味の行方』
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トの態度に声をあげたのは対峙している中の彼らではなく、ロビン。
「もう諦めて、漁師さん! あなたが何をしようとも私は戻らない! 六輪咲き!」
「な、ロビン!?」
まさかのロビンからの攻撃。
抵抗しても無駄だとか。ロビンを殴るかもしれないとか。
まるでロビンに攻撃されることも可能性に入れているかのような言葉を口にしたはずのハントだが、実際にロビンに攻撃されるとは思っていなかったらしく、焦りの声をあげた。
その声を無視して、ロビンはハントから6本の腕を生やし、そしてしかめっ面のままで叫んだ。
「私は……私は……絶対に戻るわけにはいかないのよ!」
「……?」
じっとロビンの表情を見つめるハントが首を傾げるが、ハントが動いたのはそれだけ。
「ツイスト!」
力も、技も、速度も、何の意味をなさないはずの彼女の関節技。これでハントが戦闘不能になればそれでこの空間での戦闘は終わって、ロビンは望みのままに明日を迎えることが出来る。あるいは、本気でロビンはそんなことを思ったのかもしれないし、本当にハントにただ戦闘をやめてほしかったのかもしれない。
ただ、彼女の技はハントには通じない。
「どこからどういう風に力がかかるとか、どのタイミングとか……見聞色で全部わかる。あとはどっちの力が強いか。ロビンが押し切れるか、俺が体を関節を極められないように耐えられるかっていう単純な力勝負……となると、まぁ俺が負けるっていう結果にはならないよな」
淡々と。
自分の体をからめとろうとしている6本の腕をほとんど無視して、ロビンをハントは見つめる。しかめっ面のロビンの表情が更に歪む。今にも泣きださんばかりの彼女の表情を見て、ハントは「やれやれ」と小さな声とともにため息を落として、そっと両手をあげた。
「……何の真似だ?」
「もしも俺が降参したら……俺はどうなるんだ?」
「……なに?」
つい先ほどまで戦闘する気だった男のセリフとは思えない弱気な言葉に、牛の仮面の男が首を傾げるような仕草をみせるが、すぐに話し出す。
「殺しはしない……だが明日の計画のために一日中身動きの取れない状態になってもらう」
「……つまり、明日はずっと監禁されるって?」
「そうなるな」
監禁とか暇そうだなぁ、嫌そうな声を漏らしたハントだが、また問いを。
「じゃあ、その後は?」
「……賞金首を連行したいのは山々だが、そのまま放置だ。仲間に助けられるなり、市民に海賊として海軍に差し出されるなり自由にするがいい」
「お前らが俺をロビンと一緒に連行するのなら降参する」
「……それはだめよ、漁師さん。あなたは今ここで捕まってそのまま監禁されるの、それで航海士さんに助けてもらうのね」
「俺はロビンには
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