番外30話『一味の行方』
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ンちゃん見つけられるまで帰ってくんなよ」
「鬼か!」
サンジがいつも通り女性専用紳士を発動して。
「ロビン、迷子なのかな。何にもないといいけど」
「……ま、大丈夫だろ」
チョッパーがロビンを心配する。
うむ、俺たちは結局、平常運転らしい。
「おし、行ってきます」
甲板から飛び降りた。
ハントがメリー号を出てすぐ、ナミがそこに現れて、彼らは聞くことになる。
ウソップがフランキー一家にさらわれて、2億ベリーを奪われたことを。
彼らはウソップと2億ベリーを取り戻すために、ナミを残して甲板から飛び降りたのだった。
夜。10時。
ロビンはメリー号へと帰ってこない。
ロビンを探しに行ったハントも帰ってこない。
けれど、問題は発生し続ける。
メリー号の前に、二人の男が対峙していた。
「怖気づかずに来たな。どんな目にあっても後悔するな。お前た望んだ決闘だ!」
「当たり前だ、殺す気で来いよ。返り討ちにしてやる。もうお前を倒す算段はつけてきた!」
対峙するのはルフィとウソップ。
同じ一味の二人がこうして対峙しているのはまた何かの遊びかと勘繰りたくもなるが、実際はそんなものではない。ルフィが言った通り、これは決闘だ。
ハントが船を出て、ゾロたちがウソップの下へ向かったのは昼。ナミも出来るだけ急いで帰ってきてその事実を伝えのだが、時すでに遅し。ウソップは2億ベリーをフランキー一家に奪われ、単身アジトへと乗り込むも返り討ちにあっていた。ルフィ、ゾロ、サンジ、チョッパーの4人は激怒してフランキー一家のアジトごと破壊したが、失ったお金は返らなかった。
それ自体はこの決闘に発端となっているわけではない。けれど、きっとこれが始まりだったのだろう。2億ベリーを奪われて自分の無力さ故の情けなさから平常心を失ってしまっていたウソップに、ルフィがメリー号を乗り換えるという決断を伝えたとき、それは起こった。熱くなる二人の口論の果てが、この決闘。
ウソップは既に一味を抜けてメリー号を奪うための決闘をルフィへと仕掛けて、今へと至る。
もしもロビンやハントがいれば決闘は起こらなかっただろうか。いや、きっとそれはない。二人の口論を止められる人間はきっといない。2億ベリーを奪われた時点で、メリー号の竜骨がやられてしまっていた時点で、これはきっと決まっていた未来で、決まっていた決闘だった。
メリーの甲板の上にはハントとロビンがおらず、他の面子は固唾を飲んでその決闘の行方を見守っている。ロビンは行方不明、ウソップは一味を抜けて、船をメリー号から乗り換える。まるで離れていく一味の虚しい決闘に決着は大した時間がかからずに決まることとなった。
「
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