番外29話『水の都ウォーターセブン』
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れば今の露出はまだマシな方だろう。それなのになぜ今更そんなことを言うのか、というナミにとっては単純に不思議なことなのだが、ハントにとっては実は全然今更などではない。
単純にアラバスタはナミが踊り娘の恰好をしていた時はそこに目を向けていなかった。ルフィがなかなか買い物から帰ってこないことに不安を覚えてゾロと話していたり、エースと会ってそちらにばかり気を取られていたり。
ナミの踊り娘の恰好も砂漠歩きがあったため、時間的には随分と短かったこともあってハントはその恰好でいたナミをほとんど目にいれていないし、空島では最初のほうを白い海で遊んでいたこともあってナミの水着姿に違和感を全く覚えていなかったし、何よりすぐにエネルに気を取られることになったためやはりナミの恰好に対して何かを思うことはなった。
だが、今のこの船の上にいるという普段の状況にあってはやはりハントからすればナミの恰好に目がいかない、なんてことがあるわけがない。
だからこそ、思い切って尋ねてみたハントなのだが、ナミの首を傾げる姿に逆に困惑して「い、いや、その……すごい綺麗だし、可愛いし、似合ってるって思うけど。やっぱり、その……ナミの肌を他の奴らにも見られるのは嫌だなって思ったから言ってみたんだけど……あ、もちろんナミがその恰好じゃないと嫌なら俺もこれ以上は言わないぞ、もちろん」とまぁ、ウダウダと。
「……」
大胆かつストレートな褒め台詞を言ったことは自覚していないらしく、要は嫉妬するからやめてくれという内容の言葉をどこか女々しく言うハントに、ナミの反応は沈黙というそれ。なかなか返ってこない反応にハントは顔を上げてナミを見つめるのだが、ナミも顔を伏せているためその顔色はうかがえない。
ただ耳たぶが真っ赤になっているという事実にだけ気付き、そっと思う。
「っ……びじかわいい」
内心で思っただけのはずの、久しぶりの言葉は残念ながらハントの口から漏れていたらしくそこでナミは降参した。
「バカ! わかったわよ! もうちょっとだけ生地が多いの着てくるからあんまり褒めないでよ! ……もう!」
「え!? お、おお! ありがとうナミ! で、ででっデートの時とかは俺がちゃんと頑張ってエスコートするから好きな恰好でいいからな!」と、やはり船上で叫ばれるには少々というかナミにしてみればあまりにも恥ずかしすぎる言葉にナミは最早逃げるように船室へと逃げ込んだのだった。ちなみにハントは自分の言葉がナミを恥ずかしがらせているという事実には気づいていないものの、デートという自分の言葉に対して照れを覚えて顔を赤くしていたりする。
「……う、うぜぇ」
じゃがいものパイユをナミへと持ち込もうとしていたサンジが頬を引きつらせて小さな声で呟いていたことにはハントが気
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