暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外28話『運命の分かれ道』
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 デービーバックファイトがやっと終わった。
 ルフィが予想以上に苦戦してたのは少し心配になったけど、まぁやっぱりというか当然というか。結局はルフィが勝って無事に終わった。食糧、酒、お宝と……空島で大宴会を開いたツケで随分と苦しい台所事情になってたメリー号も、これでとりあえずは次の目的地までは十分に賄えるだろう。

「……」

 今、俺は一人でメリー号に留守番をしている。
 他の皆はトンジットさんのところだ。
 俺一人をおいていくなんて、まったく、ひどい話だ……っていいたいところだけど、俺は船番という名のドクターストップ。

 デービーバックファイト一回戦、ドーナツレースでちょっと頑張っただけで別に大して無茶をした覚えはない……というのにチョッパーから今日はもう寝ること以外は基本禁止と言われてしまった。食事もダメだそうだ。

 もちろん、もともとチョッパーに止められていたのに無理にレースに出た俺が悪い、なんてことは棚上げさせてもらう。

「ま、確かにちょっと動いただけなのにもう眠たいかな」

 甲板に寝転がりながら、欠伸を噛み殺す。
 今回のデービーバックファイトは勝ったし、失ったものは何もないし、という結果だった。もともとはあいつらが許せなくて始まったこのゲームも、こういう結果で終わればいいことづくめで、気分も良い。

「……」

 とはいえ、やっぱりルフィと割れ頭の戦闘で思うこともあったわけで。

 ――やっぱり、覇気をみんなに教えた方がいいんだろうか。

 そういう思考が実はさっきから脳裏に張り付いていて離れない。
 ルフィが割れ頭に苦戦したのはもちろん、フォクシーがノロノロビームという厄介な悪魔の実の能力をもっていたことと、色々と小細工できるバトルフィールド、要するにあいつらの船が戦場になったことが原因だけど、本来の実力差からいうと苦戦なんかするわけがないほどに差があった。

 もちろん、それはそれだけフォクシーがそのカラクリをうまく駆使して立ち回ったから、というあんまり認めたくない原因があるわけなんだけど、もしも今回ルフィが見聞色を使えたら秒殺だったんじゃないだろうか。

「でもなぁ」

 少なくとも今のようにログがたまってすぐに次の島へと出発……というような環境では覇気を教えることは出来ない。、
 少なくても半年から一年。下手をすれば数年……いや、ルフィたちなら一年はかからなさそうだけど。それでもそれぐらいの期間、しっかりと地に足をつけて教える必要がある。つまり、その間はその都市に滞在しなければならないことになる。

「……1回、3人にもこの話したほうがいいかな?」

 次の島ではメリー号の大幅修繕と船大工探しの目的もある。もしかしたらそういった長い間一つの島で滞在するとい
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