番外28話『運命の分かれ道』
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いぶんと昔のことだからなんか風貌が違う……多分俺の記憶が曖昧でほとんどうすぼけていることが原因だ。
まぁ、青キジの顔なんてどうでもいい。それよりなんであんなに空中に?
そう思った時だった。
ルフィが青キジの懐へと飛び込んだ
そして、決着は一瞬だった。
止める間も、それどころかルフィが危ないと思う時間すらなかった。
「……なっ」
声を失う。
「ルフィ!!」
ルフィが氷像となって、そのまま空中から地上へと自然落下を始めたから。
このまま地面にぶつかったらそのまま砕けて死んでしまう。反射的にまたペースを上げて、そのまま地面をすべり込む。
「……っとと……セーフ」
間に合った。
ルフィを抱えて、体のどこも欠けていないことを確認。心底ホッとした……なんて、そんな息をついている場合ではない。
「お、ハントじゃねぇの……何年ぶりだ……あー、まーいいか。とにかく本部で会って以来、久しぶりだな」
「……1回会ったっていうか顔を見ただけで会話だってなかったのに、よく覚えてるな。俺みたいな子供のこと」
「そりゃあ、海峡の弟子だ、しかも人間の。これで注目しないわけにはいかねぇだろう」
「……なるほど」
どうやら青キジは青キジで俺のことをある程度はマークしていたらしい。一回だけ見たときも偶然だと思ってたけどもしかしたら偶然じゃなかったのかもしれない。そりゃそうだよな、何か用がなきゃ海軍の大将が海賊の賞金首を受け取る窓口にいるいるはずないもんな。
青キジが俺のことを覚えてるということに対して妙に納得……って、いやそんな場合じゃなかった。
「っ」
氷漬けになっているルフィを抱えるのも辛くて、慌てて武装色を発動する。
これで別に俺の肌が温かくなるわけじゃないけど、ルフィの抱えてて冷たくて痛いっていう感覚をなくせる。いや、正確には感覚がなくなるわけじゃなくて肌を武装色で覆っているだけで、単純に肌をガードしてる程度なんだけど。まぁ、それでもこうしないとルフィを抱えっぱなしでいるのは辛い。
「へー、武装色も使いこなせるようになってるじゃないの」
「……別に敵に褒められても嬉しくないんだけど」
この状況は明らかに言ってまずい。
っていうか、これどうなんだ?
俺はルフィをキャッチしただけだけど、もしかしたらそれって俺が一騎討ちの決闘を邪魔したことになるんだろうか。それともまだ未だに青キジ的には決着がついたうちには入らないのだろうか?
「さて――」
「――ま、待ってくれ!」
「?」
ダメだ。
青キジに今、口を開かせるわけにはいかない。言葉を遮って、ルフィを壊れないようにそっと草原の地面に寝かせる。
「……」
どうすればいい?
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