番外28話『運命の分かれ道』
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ント!」
いくらナミでも、もう遅い。
わかったからには、ここでロビンにぬるま湯をかけている場合じゃない。ロビンを助けるのはナミとチョッパーに任せるとして、ルフィを助けに行かないといけない。きっと俺を制止しようとしてるんだろうナミの声を無視して、俺は船を飛び出した。
「ばっ……ハント!」
「戻れ! 一騎討ちだぞ――」
聞こえてきた一騎討ちという言葉。一瞬だけ止まりそうになった足に、それでも俺は止まらなかった。
……いや、止めることが出来なかった。
視界がかすかにボケた。それが何でかは、わかりそうになかった。
「……くそっ」
走る。
サンジとゾロが後方にいる。チョッパーに手当てをうけているのかもしれない。まだ、船から動いてはいない。
ルフィが青キジと一騎討ちをしていると聞いて慌てて走りだした俺の不安とは反対に、今はまだルフィは戦っていることを見聞色で感じ取る。
まだ元気な証拠だ。
手遅れにならないようにと、俺は今走っているけど、そこに着いたとして俺はいったい何をする気なんだろうか。一騎討ちと言い出したのはまず間違いなくルフィ。俺がそこに入っていって、一騎討ちを邪魔していいものなんだろうか。
「……」
ダメだと思う。
というか、絶対にそれはやってはいけない気がする。
ルフィが青キジに勝てるとは思えない……いや、でも俺は心のどこかで期待しているのかもしれない。今までクロコダイルにもエネルにも、ルフィは勝ってきたし、その度に俺はルフィが勝てるわけがないと思ってきた。もしかしたら今回もルフィは勝つのかもしれない。
どこかでそういう淡い期待もある。
ルフィが勝つならそれでいい。けど、やっぱり負けそうだったとして、一騎討ちってことは負けたら殺されるってことで……俺はそれをただ傍観しているだけでいいんだろうか。
……いや、それはまずい。
ルフィが死んだら麦わら一味はどうなるんだろうか。それだけはあってはいけないことだ。けど、だからといって決闘の邪魔をするのもおかしい。でも決闘に乱入なんかが許されるわけがない。けど、乱入でもしないとルフィが死ぬかもしれない。
「……っ」
八方塞がりだ。
もしも。
下手をしたら。
最悪。
そんな嫌な予感が次々と浮かんでは消えていく。
自然と走るペースが上がっていた。そろそろ限界だと訴え始める体に、けれどもペースを落とすなんて選択肢があるわけもなく、ただひたすらに足を漕ぐ。
とりあえずは現場に行ってルフィの応援をするしかない。
あと少し。
「ん?」
突如、空に浮かんだ人影。見覚えのないその姿は、つまりは青キジってことだろう……あれ、あんな顔だったっけ。いや、もうず
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